HVACの圧縮比とは?
空調・冷凍機のコンプレッサーにおける圧縮比とは、絶対吐出圧(高圧側)を絶対吸入圧(低圧側)で割った値です。これは、コンプレッサーが冷媒を蒸発圧力から凝縮圧力まで昇圧させるのに、どれだけの仕事をしているかを示す指標になります。圧縮比が高いほど仕事量が増え、吐出温度が上昇し、体積効率が低下して、機械的な摩耗も大きくなります。一般的なエアコンシステムでは圧縮比はおおむね2:1〜4:1ですが、低温冷凍では10:1をはるかに超えることもあります。
この計算ツールの使い方
吐出圧(ヘッド圧)と吸入圧を入力します。入力する数値がゲージ圧(psig=サービスゲージに表示される値)か、すでに絶対圧(psia)になっているかを選んでください。ゲージ圧を選んだ場合、ツールは割り算を行う前に大気圧を加算して絶対圧に変換します。大気圧は標高に合わせて調整でき、海面レベルではおよそ\(14.7\) psiです。
計算式
圧縮比は絶対圧を用いて計算します。ここで\(P_{atm}\)は大気圧です。
$$CR = \frac{P_{discharge,abs}}{P_{suction,abs}} = \frac{P_{discharge,gauge} + P_{atm}}{P_{suction,gauge} + P_{atm}}$$\(P_{discharge,gauge}\)と\(P_{suction,gauge}\)はpsig単位のゲージ圧の読み値、\(P_{atm}\)はpsi単位の大気圧です。
計算例
海面レベル(\(P_{atm}=14.7\))で、吐出圧が\(260\) psig、吸入圧が\(70\) psigだとします。
$$CR = \frac{260 + 14.7}{70 + 14.7} = \frac{274.7}{84.7} = 3.24$$このコンプレッサーの圧縮比は約\(3.24:1\)となり、エアコン用途としては標準的な値です。
よくある質問
なぜゲージ圧ではなく絶対圧を使うのですか? 圧縮比は真の圧力比であるため、両方の圧力を完全真空を基準(絶対圧)にする必要があります。ゲージ圧をそのまま使うと、誤って過大な比率が出てしまいます。
圧縮比が高いとはどのくらいですか? おおよそ10:1を超えると、吐出温度の過上昇、オイルの劣化、効率低下のリスクが高まります。低温システムでは、これに対処するために二段圧縮が必要になることがよくあります。
標高は影響しますか? はい。標高が高くなると大気圧が下がり、絶対圧への変換がわずかに変わります。正確さを高めるには、現地の大気圧を入力してください。