動水勾配とは?
動水勾配(i)は、水が流れる経路に沿って水頭(全水頭)がどれくらい急に変化するかを表す指標です。地下水水理学や浸透流の解析で欠かせない基本量で、水頭の変化量(水頭損失)を、その変化が生じる距離で割った値として定義されます。長さを長さで割った比であるため、動水勾配は無次元量になります。
このツールの使い方
水頭損失 dh(2 地点間の水頭の差、単位はメートル)と、流路長 L(流れの方向に沿った 2 地点間の距離、単位はメートル)を入力してください。動水勾配が無次元の比とパーセントの両方で表示されます。2 つの入力は必ず同じ長さの単位にそろえてください。どちらもフィートで入力しても、単位が打ち消し合うため勾配の値は変わりません。
計算式の解説
関係式は $$i = \frac{\text{Head Loss (m)}}{\text{Flow Path Length (m)}}$$ です。短い距離で大きな水頭損失が生じると勾配は急になり、流れも速くなります。一方、同じ水頭損失でも距離が長ければ勾配はゆるやかになります。ダルシーの法則(\(q = K \cdot i\))と組み合わせると、この勾配が、透水係数 \(K\) をもつ土壌や帯水層を通る地下水の流量を計算する原動力となります。
計算例
たとえば、2 本の観測井が 100 m 離れていて、その間で地下水位が 5 m 低下しているとします。このとき $$i = \frac{5}{100} = 0.05$$ つまり 5% になります。これは、流れの方向に 1 m 進むごとに水頭が 0.05 m 低下することを意味します。
よくある質問
動水勾配は必ず 1 より小さいのですか? 必ずしもそうではありません。急峻な地形や強く乱された条件では勾配が 1 を超えることもありますが、広域の帯水層では通常はずっと小さい値になります。
どの単位を使えばよいですか? dh と L の両方に、同じ長さの単位であれば何を使っても構いません。単位が打ち消し合うため、結果は無次元になります。
なぜ重要なのですか? 動水勾配は地下水の流れの向きと速さを決める量であり、浸透流、汚染物質の移動、地下水位低下(ディウォータリング)の計算に不可欠です。