レーザービームエキスパンダーとは
レーザービームエキスパンダーは、通常2枚のレンズで構成される光学系で、コリメートされたレーザービームの直径を拡大すると同時に、その角度発散をビーム径に反比例して低減します。より太く、よりコリメート性の高いビームは集光性能を向上させ、距離による広がりを抑えるため、レーザー加工、干渉計測、レーザー測距、自由空間光通信など幅広い分野で活用されています。
この計算機の使い方
入射側(1枚目)レンズの焦点距離f1と、出射側(2枚目)レンズの焦点距離f2を、いずれもミリメートル単位で入力します。さらに入射ビーム径と、その発散角(ミリラジアン単位)を入力してください。計算機が倍率、拡大後の出射ビーム径、そして低減された新たな発散角を算出します。
計算式の解説
ケプラー型またはガリレオ型の2枚レンズ式エキスパンダーでは、倍率は2つの焦点距離の比で求められます: $$MP = \frac{f_2}{f_1}$$ 光学的なスループット(エタンデュ)は保存されるため、ビーム径はMP倍に拡大し、発散角は同じ係数で縮小します: $$D_{out} = D_{in} \cdot MP$$ $$\theta_{out} = \frac{\theta_{in}}{MP}$$ この反比例の関係こそが、太くしたビームが長距離にわたってコリメート性を保てる理由です。
計算例
たとえば、\(f_1 = 10\ \text{mm}\)、\(f_2 = 50\ \text{mm}\)、入射ビーム径1 mm、発散角1 mradとします。このとき $$MP = \frac{50}{10} = 5\ \text{倍}$$ となります。出射ビーム径は \(1 \times 5 = 5\ \text{mm}\)、出射発散角は \(1/5 = 0.2\ \text{mrad}\) となり、5倍太く、かつ5倍引き締まった(発散の小さい)ビームが得られます。
よくある質問
レンズ間隔は重要ですか? はい。適切なコリメーションを得るには、レンズ間隔を\(f_1 + f_2\)に設定し、系をアフォーカルにする必要があります。この計算機は理想的なアフォーカル配置を前提としています。
ガリレオ型とケプラー型の違いは何ですか? ガリレオ型は入射側に負レンズを用い(内部に焦点を結ばないため高出力に適する)、ケプラー型は2枚の正レンズを用いて内部に焦点を結びます。いずれも \(MP = f_2/f_1\) の関係に従います。
MPは1未満になり得ますか? はい。\(f_2 < f_1\) の場合、系はビームを縮小し(ビームリデューサー)、発散角を増加させます。