この計算ツールでできること
「木材梁スパン計算ツール」は、等分布荷重を受ける単純支持の木材梁について、最大曲げモーメントと必要断面係数を試算します。この2つの値は梁の断面決定の出発点です。曲げモーメントは「荷重が梁をどれだけ曲げようとするか」を、断面係数は「その曲げに耐えて木材の許容応力を超えないために、断面をどれだけ大きく確保すべきか」を表します。なお、本ツールは米国の慣用単位(lb/ft、psi、in³)を前提としており、日本国内の許容応力度設計(建築基準法・JAS材の基準値)とは数値や考え方が異なる点にご注意ください。
使い方
等分布荷重 w を1フィートあたりのポンド(lb/ft)で、有効スパン L をフィート(ft)で、使用する木材の等級・樹種に応じた許容曲げ応力 Fb をpsiで入力してください。計算結果として、最大曲げモーメント(lb-ftとlb-inの両方)と、必要断面係数(立方インチ/in³)が表示されます。算出された必要断面係数 \(S\) を、候補となる梁サイズのカタログ値(断面係数)と比較し、その値が計算結果以上となる断面を選定します。
計算式の解説
等分布荷重を受ける単純支持梁では、最大モーメントはスパン中央で発生し、$$M_{\max} = \frac{\text{w (lb/ft)} \cdot \text{L (ft)}^{2}}{8}$$ で求められます。断面係数を求めるには、このモーメントを12倍してlb-ftからlb-inに換算し、許容曲げ応力で割ります。すなわち $$S = \frac{12 \cdot M_{\max}}{\text{F}_b\text{ (psi)}}$$ です。これは曲げ応力の関係式 \(\sigma = M / S\) を、許容応力の限界における \(S\) について解き直したものです。
計算例
たとえば、w = 200 lb/ft、スパン L = 12 ft、Fb = 1200 psi とします。曲げモーメントは $$M = \frac{200 \times 12^2}{8} = \frac{200 \times 144}{8} = 3{,}600 \text{ lb-ft}$$ となります。これをlb-inに換算すると \(3{,}600 \times 12 = 43{,}200\) lb-in です。必要断面係数は $$S = \frac{43{,}200}{1{,}200} = 36 \text{ in}^3$$ となります。そこで、断面係数が36 in³以上となる梁(たとえば2枚合わせや組み立て材など)を選定することになります。
よくある質問
どの荷重値を入力すればよいですか? 梁が負担する固定荷重(死荷重)と積載荷重(活荷重)を合計し、梁の長さ1フィートあたりの値として入力してください。
たわみのチェックはできますか? いいえ。本ツールは曲げ強度のみで断面を決定します。長スパンではたわみ制限が支配的になることが多いため、たわみは別途確認してください。
どんな支持条件を想定していますか? 単純支持の1スパンに等分布荷重がかかる場合を前提としています。片持ち梁、集中荷重、連続梁では別のモーメント式を用います。構造に関わる検討は、必ず有資格の技術者(構造設計者)に確認してもらってください。