ロケット方程式とは?
ツィオルコフスキーのロケット方程式は、自らの質量の一部を高速で放出することで推進する乗り物の運動を表す式です。ロケットが得られる速度変化(デルタブイ、Δv)を、推進剤の排気速度と、出発時の質量から燃焼後の質量への比率と結びつけます。この計算ツールは純粋なニュートン力学に基づいているため、どんなロケットにも、どこでも通用する万能な式です。
この計算ツールの使い方
次の3つの値を入力します。実効排気速度 \(v_e\)(推進剤がエンジンから噴出する速度。比推力×9.81として示されることが多い)、初期質量 \(m_0\)(燃料を満載した状態のロケット)、最終質量 \(m_f\)(燃焼後のロケット)です。ツールは、得られる総Δv(m/s)と質量比を返します。
計算式の解説
$$\Delta v = v_e \cdot \ln\!\left(\frac{m_0}{m_f}\right)$$この自然対数は、燃料を多く積むほど効果が薄れていくこと(収穫逓減)を表しています。推進剤を2倍にしてもΔvは2倍にはなりません。一方、排気速度を高める(=エンジンの効率を上げる)とΔvは比例して増加します。これが、深宇宙ミッションで高比推力エンジンが極めて重宝される理由です。
計算例
例えば \(v_e = 3{,}000 \text{ m/s}\)、\(m_0 = 50{,}000 \text{ kg}\)、\(m_f = 10{,}000 \text{ kg}\) とします。質量比は \(50{,}000 / 10{,}000 = 5\)。したがって $$\Delta v = 3{,}000 \times \ln(5) = 3{,}000 \times 1.6094 \approx 4{,}828 \text{ m/s}$$ となります。これは本格的な軌道変更を行うのに十分なデルタブイです。
よくある質問
実効排気速度とは何ですか? 比推力(Isp、単位は秒)に標準重力(9.80665 m/s²)を掛けた値です。Isp が 300 秒なら \(v_e \approx 2{,}942 \text{ m/s}\) になります。
重力や空気抵抗は考慮されますか? いいえ。理想的なロケット方程式は、自由空間における最大のΔvを示します。実際の打ち上げでは重力や大気抵抗によってΔvが失われるため、技術者は余裕(マージン)を上乗せして設計します。
なぜ燃料は収穫逓減になるのですか? Δvは質量比の対数に比例して増えるからです。燃料を1単位追加するたびに、その上に積まれているすべての燃料も加速させなければならないため、得られる効果はだんだん小さくなります。