せん断ひずみとは?
せん断ひずみ(γ、ガンマ)とは、せん断力——つまり面に対して垂直ではなく平行に加わる力——を受けたときに材料がどれだけ変形するかを表す量です。引っ張りや圧縮を生む垂直ひずみとは異なり、せん断ひずみは形状を斜めにずらし、長方形を平行四辺形へと変えます。無次元量であり、多くの場合ラジアンで表され、変形角の正接(タンジェント)に等しくなります。この計算ツールは単位系が統一されていればどんな単位でも使え、工学・物理学の幅広い分野で共通して利用できます。
計算ツールの使い方
まず計算方法を選びます。実際の変形量がわかっている場合は、横方向の変位(Δx)と、加わる力に対して垂直に測った元の長さ(L)を入力すると、$$\gamma = \frac{\Delta x}{L}$$ が計算されます。一方、荷重条件がわかっている場合は応力モードを選び、せん断応力(τ)と材料のせん断弾性係数(G)を入力すれば、$$\gamma = \frac{\tau}{G}$$ が求められます。結果には、相当するせん断角(度)も併せて表示されます。
計算式の解説
2つの式はいずれも、剛性率とも呼ばれるせん断弾性係数の定義から導かれます:\(G = \frac{\tau}{\gamma}\)。これを変形すると \(\gamma = \frac{\tau}{G}\) となります。幾何学的には、同じひずみは上面の変位 \(\Delta x\) を、面間の高さ \(L\) で割った値に等しいので、\(\gamma = \frac{\Delta x}{L}\) となります。微小なひずみでは \(\gamma \approx \theta\)、すなわちラジアン表示の変形角に近似します。
計算例
高さ50 mmのブロックの上面を、横方向に2 mm押したとします。このときのせん断ひずみは $$\gamma = \frac{\Delta x}{L} = \frac{2}{50} = 0.04$$ です。相当するせん断角は \(\arctan(0.04) \approx 2.29°\) となります。あるいは、せん断弾性係数 \(G = 25\ \text{MPa}\) の材料にせん断応力 \(\tau = 1\ \text{MPa}\) が作用する場合、$$\gamma = \frac{1{,}000{,}000}{25{,}000{,}000} = 0.04$$ となり、同じひずみが得られます。
よくある質問
せん断ひずみはラジアンですか、それとも度ですか? せん断ひずみは無次元量ですが、微小なひずみの場合、数値的にはラジアン表示の変形角と等しくなります。当ツールでは便宜上、度数表示も併せて示しています。
応力と弾性係数にはどの単位を使えばよいですか? 両方に同じ単位(例:両方ともPa、または両方ともMPa)を使ってください。ひずみは無次元なので、単位は打ち消し合います。
長さには特定の単位が必要ですか? いいえ。Δx と L が同じ単位(mm、in、m など)であればかまいません。両者の比は無次元になります。