真ひずみとは?
真ひずみ(対数ひずみ、自然ひずみとも呼ばれます)は、材料の元の長さではなく、その瞬間ごとの長さを基準に変形量を表す指標です。固定された基準長さを用いる公称ひずみ(エンジニアリングひずみ)とは異なり、真ひずみは変形の過程で生じる微小な長さの変化を逐次積分して求めます。そのため、塑性加工や引張試験、材料科学などで生じる大きな塑性変形を評価する際に、より適した指標として用いられます。
この計算ツールの使い方
試験片の元の長さ(変形前)L₀ と、変形後の長さ L を入力してください。単位は mm、cm、インチなど、両方で揃えてあればどれを使っても構いません。計算ツールは、真ひずみ、対応する公称ひずみ、そして長さの比を出力します。値が正の場合は引張(伸び)、負の場合は圧縮を表します。
計算式の解説
真ひずみは次のように定義されます。
$$\varepsilon_{true} = \ln\left(\frac{L}{L_0}\right)$$すなわち長さの比の自然対数として定義されます。公称ひずみは \(\varepsilon_{eng} = (L - L_0)/L_0 = L/L_0 - 1\) で表せるため、真ひずみは \(\varepsilon_{true} = \ln(1 + \varepsilon_{eng})\) と書き換えることもできます。ひずみが小さい範囲では両者はほぼ一致しますが、変形が大きくなるにつれて両者の差は顕著になります。
計算例
たとえば、棒材が L₀ = 50 mm から L = 60 mm まで伸びたとします。長さの比は \(60/50 = 1.2\) となるため、真ひずみは次のようになります。
$$\varepsilon_{true} = \ln(1.2) \approx 0.182322$$一方、公称ひずみは \((60 - 50)/50 = 0.20\) となります。引張変形では予想されるとおり、真ひずみ(0.1823)は公称ひずみ(0.20)よりわずかに小さくなっていることがわかります。
よくある質問
なぜ公称ひずみではなく真ひずみを使うのですか? 真ひずみは加算性を持ち、大きな塑性変形が生じる場面でより正確に変形を表現できます。これは鍛造や圧延、くびれ(ネッキング)の解析などで不可欠な性質です。
真ひずみは負の値になりますか? はい。変形後の長さが元の長さより短い場合(圧縮)、\(L/L_0 < 1\) となり、その自然対数は負の値になります。
どの単位を使えばよいですか? L と L₀ で同じ単位を使ってさえいれば、どの単位でも構いません。ひずみは無次元量だからです。