細長比とは?
細長比(λ)は、柱やストラットなどの圧縮材がどれだけ座屈しやすいかを表す、構造設計上きわめて重要な指標です。部材の有効長さを断面二次半径で割った値で定義され、両者の比から座屈のしやすさを判断します。細長比が大きいほど「長くて細い柱」を意味し、軸力を受けると容易に座屈します。逆に値が小さいほど「短くて太い部材」となり、座屈ではなく圧壊(押しつぶし)によって破壊に至ります。
本ツールの使い方
入力する値は3つです。有効長さ係数(K)、座屈長さ(L)、そして断面二次半径(r)を入力してください。L と r は必ず同じ単位(たとえば両方とも mm)でそろえてください。そうすることで結果が無次元(単位なし)になります。計算後は細長比に加え、参考値として有効長さ(K×L)も表示されます。
計算式の解説
基本となる式は $$\lambda = \frac{\text{K} \cdot \text{L}}{\text{r}}$$ です。係数 \(K\) は部材端部の支持条件を反映するもので、両端ピン(ピン-ピン)の場合は \(K = 1.0\)、両端固定(固定-固定)は0.5、一端固定・他端ピン(固定-ピン)は0.7、片持ち(固定-自由)は2.0となります。断面二次半径は \(r = \sqrt{I/A}\) で求められ、\(I\) は断面二次モーメント、\(A\) は断面積です。座屈は最も弱い軸まわりで生じるため、\(r\) は最弱軸について取ります。
計算例
両端ピンの鋼製柱(\(K = 1.0\))で、座屈長さ \(L = 3000\ \text{mm}\)、断面二次半径 \(r = 50\ \text{mm}\) のケースを考えます。細長比は $$\lambda = \frac{1.0 \times 3000}{50} = 60$$ となります。多くの設計基準では圧縮材の \(\lambda\) の上限を200程度に定めているため、この柱は一般的な制限値に対して十分に余裕があるといえます。
よくある質問(FAQ)
細長比はどのくらいが良いの? 値が小さいほど剛性が高くなります。鋼構造の設計基準では、圧縮材は \(\lambda \le 200\)、引張材はそれより大きい値まで許容することが一般的です(具体的な数値は各国・各規格で異なります。日本の場合は建築基準法や鋼構造設計規準などを確認してください)。
どの断面二次半径を使えばいい? その軸に補剛がない限り、最も小さい \(r\)(最弱軸)を使います。座屈は補剛されていない最弱軸まわりで起こるためです。
細長比は単位に依存する? いいえ。L と r が同じ単位でそろっていれば、\(\lambda\) は無次元の値になります。