シンプソン則による定積分計算機とは
このツールは、複合シンプソン則を用いて、区間[a, b]における関数f(x)の定積分を数値的に近似します。純粋な数学にもとづく手法であり、国や分野を問わず普遍的に利用できます。本計算機では、分割数を2、4、8、16……と選択した上限Nまで倍々に増やしながら近似値を精緻化し、値が収束していく様子を確認できます。
使い方
関数はxを用いた式で入力してください(例:4/(1+x^2) や sin(x))。続いて下限a・上限bを設定し、分割数の上限Nを選びます。表示する有効桁数も指定できます。積分区間・関数のいずれにも、pi や e といった定数のほか、sin、cos、tan、exp、ln、log10、sqrt、abs などの関数を使用できます。
公式の解説
区間[a, b]を偶数個の小区間nに分割すると、刻み幅は \( h = (b - a) / n \) となります。分点を \( x_i = a + i\cdot h \) とおくと、シンプソン則では両端の値に重み1、内側の奇数番目の分点に重み4、内側の偶数番目の分点に重み2を掛けて合計し、その総和に \( h/3 \) を掛けます。
$$\int_{a}^{b} f(x)\,dx \approx \frac{h}{3}\left[ f(x_0) + 4\sum_{i\,\text{odd}} f(x_i) + 2\sum_{i\,\text{even}} f(x_i) + f(x_N) \right]$$本手法の誤差は \( O(h^4) \) であり、3次以下の多項式に対しては厳密に正確な値が得られます。
計算例
\( f(x) = 4/(1+x^2) \)、\( a = 0 \)、\( b = 1 \)、\( n = 4 \) とします。このとき \( h = 0.25 \) で、各分点の値は 4.000000、3.764706、3.200000、2.560000、2.000000 となります。シンプソン則を適用すると、
$$S = \frac{0.25}{3}\cdot\left[4 + 4\cdot(3.764706 + 2.560000) + 2\cdot 3.200000 + 2\right] = 3.141569$$が得られます。さらに \( N = 64 \) とすれば、近似値は \( \pi \approx 3.14159265358979 \) に収束します。
よくある質問
なぜnは偶数でなければならないのですか? シンプソン則は隣り合う2つの小区間を一組にし、3点を通る放物線を当てはめるため、分割数は偶数である必要があります。ここで用いる2の累乗は常に偶数になります。
bがaより小さい場合はどうなりますか? その場合の結果は、区間[b, a]における積分値の符号を反転したものになります。公式は負の刻み幅も正しく扱います。
特異点がある場合はどうなりますか? 分点でf(x)が定義できない場合(ゼロ除算、非正の数の対数、負の数の平方根など)、結果は信頼できなくなります。このとき計算機は、誤解を招く数値を返す代わりにエラーを表示します。