アセトアミノフェン(タイレノール)過剰摂取計算ツールとは?
このツールは、摂取したアセトアミノフェン(パラセタモール)の量を体重1kgあたりのミリグラム(mg/kg)で概算し、一般的に用いられる中毒域の基準値と比較するための教育用ツールです。一回の急性摂取では、おおむね150mg/kgあたりから中毒の可能性があるとされ、プロトコルによっては200mg/kgをもう一つの目安として用いることもあります。診断機器ではありません。なお「タイレノール」は海外で広く流通する製品名で、日本では「カロナール」などとして処方・市販されており、アセトアミノフェンそのものは国内でも一般的に使われています。
使い方
患者さんの体重(kg)、服用した錠剤または回数、1錠あたりの含有量(mg)を入力し、比較したい中毒域の基準値を選びます。計算ツールは「錠数 × 1錠あたりの含有量」で総摂取量(mg)を算出し、それを体重で割って1kgあたりの摂取量を求めます。
計算式
摂取量(mg/kg)=(錠数 × 1錠あたりの含有量[mg])÷ 体重[kg]。算出された摂取量が選択した基準値(150または200mg/kg)以上の場合、潜在的なリスクありと表示されます。
$$\text{摂取量}_{\text{mg/kg}} = \frac{\text{錠数} \times \text{1錠あたりの含有量 (mg)}}{\text{体重 (kg)}}$$$$\text{閾値に対する \%} = \frac{\text{摂取量}_{\text{mg/kg}}}{\text{基準値 (mg/kg)}} \times 100$$
$$\text{リスクあり: } \text{摂取量}_{\text{mg/kg}} \ge \text{基準値}$$
計算例
体重70kgの成人が500mg錠を20錠服用した場合:総量=\(20 \times 500 = 10{,}000\)mg。摂取量=\(10{,}000 \div 70 \approx 142.86\)mg/kg。150mg/kgの基準値に対して約95%で基準値を下回るため、リスク判定は0となります。一方、体重50kgの人が500mg錠を30錠服用すると15,000mg、つまり300mg/kgとなり、200mg/kgの基準値(その150%)を大きく超えるため、リスク判定は1になります。
よくある質問
これは医療の代わりになりますか? いいえ。過剰摂取が疑われる場合は、この概算値にかかわらず、直ちに救急(119番)や中毒情報センター(中毒110番)に連絡してください。
どちらの基準値を使うべきですか? 150mg/kgはより安全側に立った基準で、200mg/kgを用いる文献もあります。臨床現場では体重換算の概算だけでなく、血中濃度やRumack-Matthew(ルマック・マシュー)ノモグラムを基に判断します。
摂取からの時間は関係しますか? はい。リスク評価は摂取からの経過時間と血中アセトアミノフェン濃度に大きく左右されますが、このシンプルな計算ツールではそれらを考慮していません。