ネルンストの式 計算ツールとは?
このツールは、25℃(298.15 K)におけるネルンストの式を用いて、電気化学電池や濃淡電池の電池電位(起電力・EMF)を求めます。濃度が標準状態からずれたときに、実際の電池電圧が標準電位からどれだけ変化するかが一目でわかります。
使い方
3つの値を入力します。標準電池電位 E°(単位:ボルト)、釣り合いの取れた反応式における移動電子数 \(n\)、そして反応商 \(Q\)(生成物と反応物の活量の比)です。ツールは電池電位 \(E\) に加えて、\(\log(Q)\) とネルンスト補正項も表示するので、電圧がどのように変化するのかを正確に確認できます。
計算式の解説
25℃ではネルンストの式は
$$E = \text{E}^\circ - \frac{0.0592}{\text{n}} \log_{10}\!\left(\text{Q}\right)$$と簡単な形になります。定数 0.0592 V は、298.15 K で \((RT/F)\cdot\ln(10)\) を計算した値です。\(Q = 1\) のときは \(\log Q = 0\) となり、\(E\) は E° に等しくなります。生成物が増える(\(Q\) が 1 より大きい)と補正項は正になり電圧は下がり、反応物が優勢(\(Q\) が 1 より小さい)になると補正項は負になり電圧は上がります。
計算例
たとえば E° = 1.10 V、\(n = 2\)、\(Q = 10\) とします。このとき \(\log Q = 1\) なので、補正項は
$$\frac{0.0592}{2} \cdot 1 = 0.0296 \text{ V}$$です。電池電位は
$$E = 1.10 - 0.0296 = 1.0704 \text{ V}$$となります。反応商が大きいほど電圧がわずかに下がるのは、ルシャトリエの原理から直感的に予想できる通りです。
よくある質問(FAQ)
なぜ 0.0257 ではなく 0.0592 なのですか? 0.0592 という係数は常用対数(\(\log\)、底が10)と組み合わせて使い、0.0257 V は自然対数(\(\ln\))と組み合わせて使う \(RT/F\) の値です。このツールは \(\log\) を使う形式を採用しています。
E° がゼロの場合は? 濃淡電池では2つの電極が同じなので \(\text{E}^\circ = 0\) となり、電圧はすべて濃度差に起因する \(-(0.0592/n)\cdot\log Q\) の項から生じます。
温度は影響しますか? はい。定数 0.0592 は25℃でのみ有効です。それ以外の温度では、その温度に合わせて \((RT/F)\cdot\ln(10)\) を計算し直す必要があります。