RFリンクバジェットとは?
RFリンクバジェットとは、信号が送信機から受信機へ伝わる過程で受けるすべての利得(ゲイン)と損失(ロス)を集計する手法です。送信電力、アンテナ利得、伝搬損失(パスロス)、そしてその他のシステム損失を足し引きすることで、無線リンクの受信端での受信信号電力を予測できます。本計算機は対数表記であるデシベル(dB)領域で計算するため、すべての量を単純な加算・減算で扱えます。これにより、計算は素早く直感的になります。
この計算機の使い方
送信機の出力電力をdBm、送信アンテナの利得をdBi、合計の伝搬損失(自由空間損失に加え追加の減衰を含む)をdB、受信アンテナの利得をdBi、そしてケーブル・コネクタ・給電線などのその他システム損失をdBで入力してください。計算機は受信信号電力(dBm)と、送信系のEIRP(等価等方放射電力)を返します。
計算式の解説
基本となる式は次のとおりです:
$$P_{rx} = \text{Tx Power} + \text{Tx Gain} - \text{Path Loss} + \text{Rx Gain} - \text{Other Losses}$$デシベルは対数なので、利得はすべて加算、損失はすべて減算となります。求めた受信電力を受信機の感度と比較すれば、リンクマージンを判断できます。マージンがプラスであれば、運用可能なリンクであることを意味します。
計算例
送信機が30 dBmを出力し、10 dBiのアンテナへ給電するとします。伝搬損失は100 dB、受信アンテナは10 dBiの利得を持ち、ケーブル・コネクタ損失の合計は3 dBとします。このとき受信電力は
$$30 + 10 - 100 + 10 - 3 = -53\ \text{dBm}$$EIRPは
$$30 + 10 = 40\ \text{dBm}$$となります。受信機感度が −90 dBm であれば、37 dB という余裕のあるリンクマージンが得られます。
よくある質問(FAQ)
dBmとdBiの違いは? dBmは1ミリワットを基準とした絶対的な電力レベルを表し、dBiは等方性放射器を基準としたアンテナの相対的な利得を表します。リンクバジェットでは両者をそのまま足し合わせて計算できます。
「その他損失」には何が含まれる? 同軸ケーブルの損失、コネクタ損失、偏波ミスマッチ、アンテナの指向ずれ、大気吸収のほか、あらかじめ確保しておくフェードマージンなどが含まれます。
伝搬損失はどう求める? 自由空間伝搬損失は距離と周波数から計算でき、環境に応じて障害物・マルチパス・降雨減衰などを考慮して値を上乗せします。