知覚ストレス尺度(PSS-10)とは?
知覚ストレス尺度(PSS-10)は、自分の生活をどれだけ「予測できない」「コントロールできない」「手に負えない」と感じているかを測る、世界的に最も広く使われている心理尺度のひとつです。Sheldon Cohen(シェルドン・コーエン)らによって開発され、過去1か月間の気持ちや考え方について問いかけます。これは研究や教育の場で用いられる自己評価ツールであり、臨床的な診断ではありません。採点方法は国を問わず共通で、どなたでもお使いいただけます。
このツールの使い方
過去1か月間に、それぞれの状態をどのくらいの頻度で感じたかを、0〜4の5段階で全10問にお答えください(0=まったくない、1=ほとんどない、2=ときどきある、3=しばしばある、4=とてもよくある)。回答を合計し、肯定的な表現の4項目(設問4・5・7・8)は自動で逆転採点されます。合計点は0〜40点の範囲となり、その場でストレスの段階が表示されます。
計算式の仕組み
6つの項目(1・2・3・6・9・10)はそのまま加点します。一方、肯定的な4項目(4・5・7・8)は逆転採点され、回答xは\(4 - x\)に変換されます。これらの項目に強く同意するほど、ストレスが少ないことを意味するためです。
$$\begin{gathered} \text{PSS} = \text{Q1} + \text{Q2} + \text{Q3} + \text{Q6} + \text{Q9} + \text{Q10} \\[0.6em] + \left(4 - \text{Q4}\right) + \left(4 - \text{Q5}\right) + \left(4 - \text{Q7}\right) + \left(4 - \text{Q8}\right) \end{gathered}$$合計点は次のように解釈します。0〜13点=低い、14〜26点=中程度、27〜40点=高い知覚ストレス。
計算例
すべての設問に「2(ときどきある)」と答えたとします。そのまま加点する6項目はそれぞれ2点(\(6 \times 2 = 12\)点)。逆転採点する4項目は、いずれも \(4 - 2 = 2\) となり、さらに8点が加わります。合計は
$$12 + 8 = 20$$で、中程度の範囲に入ります。
よくある質問
得点が高いと悪いのですか? 得点が高いほど、より多くのストレスを感じていることを示します。ただしPSSはあくまで過去1か月のスナップショットであり、診断ではありません。高い得点が続く場合は、専門家に相談してみるとよいでしょう。
なぜ一部の設問は逆転採点されるのですか? 「自分の問題に対処できる自信があった」といった項目は、対処能力(コーピング)を測るものです。強く同意するほどストレスが低いことを意味するため、尺度の向きを揃えるために点数を反転させています。
PSS-10とPSS-14の違いは? PSS-14は14項目から成る原版です。PSS-10はそれを改良した短縮版で、心理測定上の特性がより優れており、現在最も推奨されているバージョンです。