P/F比とは?
P/F比(PaO2/FiO2比、P/F ratioとも表記)は、肺がどの程度効率よく血液に酸素を取り込めているかを示す、臨床現場で使われる簡便な指標です。動脈血酸素分圧(PaO2、単位はmmHg。動脈血ガス分析で得られる値)を、吸入気酸素濃度(FiO2、0.21〜1.0の小数で表す)で割って算出します。値が低いほど酸素化が悪いことを意味します。P/F比は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の診断と重症度分類に用いられる「ベルリン定義」の中核をなす指標です。
この計算ツールの使い方
患者さんのPaO2をmmHg単位で、FiO2をパーセント(%)で入力してください(例:室内気なら21、40%酸素なら40、純酸素なら100)。本ツールはパーセントを小数の分画に変換し、PaO2をそれで割って、P/F比とベルリン定義に基づく重症度の判定結果を表示します。
計算式の解説
計算式はシンプルに $$\text{PF Ratio} = \frac{\text{PaO}_2\ (\text{mmHg})}{\dfrac{\text{FiO}_2\ (\%)}{100}}$$ です。本ツールではFiO2をパーセントで入力するため、まず100で割って分画(小数)に変換します。ARDSにおいては、PEEP \(\ge 5\) cmH2Oの条件下で、軽症は200〜300、中等症は100〜200、重症は \(\le 100\) mmHg がカットオフ値となります。
計算例
FiO2が60%(0.60)でPaO2が90 mmHgだったとします。このとき $$\text{P/F} = \frac{90}{0.60} = 150\ \text{mmHg}$$ となります。150という値は100〜200の範囲に入るため、中等症のARDSと判定されます。
よくある質問(FAQ)
正常なP/F比はどのくらいですか? 健康な人のP/F比は通常400 mmHgを超えます。
なぜFiO2をパーセントで入力するのですか? ベッドサイドではパーセント表示のほうが直感的に扱いやすいためです。計算に必要な小数の分画へは、ツールが自動で変換します。
標高(高地)は影響しますか? はい。高地ではPaO2が低くなるため、P/F比は臨床的な状況をふまえて解釈する必要があります。本ツールはあくまで教育・学習を補助する目的のものであり、臨床判断に取って代わるものではありません。