SaaSの顧客生涯価値(LTV)とは?
顧客生涯価値(LTV/CLVとも呼ばれます)とは、1人の顧客が契約を継続している全期間を通じて、SaaS事業者が得られると見込まれる粗利益の総額です。サブスクリプション型ビジネスにおいて最重要指標のひとつとされるのは、利益を確保しながら顧客獲得にいくらまでコスト(CAC)をかけられるかを示してくれるからです。健全なSaaS企業では、一般にLTV:CACが3:1以上になることを目標とします。
この計算ツールの使い方
入力するのは次の3つです。月次ベースの1アカウントあたり平均売上(ARPA)、粗利率(売上からサービス提供コストを差し引いた割合・%)、そして月次解約率(%)。これらを入力すると、粗利調整済みのLTV、アカウントあたりの月次貢献利益、そして顧客の平均継続期間(月数)が算出されます。
計算式の解説
定番となっている粗利調整済みLTVの計算式は次のとおりです。
$$\text{LTV} = \frac{\text{ARPA} \times \dfrac{\text{Margin \%}}{100}}{\dfrac{\text{Churn \%}}{100}}$$
分子の「ARPA × 粗利率」は、各顧客が1か月あたりに生み出す粗利益を表します。これを解約率で割るのは、顧客の平均継続期間が「\(1 \div \text{解約率}\)」で求められるためです。たとえば月次解約率が5%なら、平均継続期間は20か月と見込めます。月次の貢献利益にこの継続期間を掛け合わせることで、生涯価値の総額が得られます。
計算例
ARPAが月100ドル、粗利率が80%、月次解約率が5%の場合を考えてみましょう。月次の貢献利益 = \(100 \times 0.80 = 80\) ドル。平均継続期間 = \(1 \div 0.05 = 20\) か月。したがってLTV = \(80 \times 20 = \mathbf{1{,}600}\) ドルとなります。
よくある質問(FAQ)
解約率は月次と年次のどちらを使えばいいですか? ARPAと解約率は必ず同じ時間軸でそろえてください。本ツールは月次の数値を前提としているため、月次解約率をお使いください。
なぜ粗利率を加味するのですか? 売上だけで見ると価値を過大評価してしまいます。粗利調整済みのLTVなら、ホスティング・サポート・提供にかかるコストを差し引いた、実際に手元に残る利益を反映できます。
解約率がゼロの場合は? 解約率がゼロだと継続期間が無限大となり、現実的ではありません。有限のLTVを算出するため、本ツールではゼロより大きい解約率の入力が必要です。