インフレ調整後の給与とは?
インフレが進むと、お金の購買力は年々目減りしていきます。額面(名目)の給与は変わらなくても、物価が上がるにつれて同じ金額で買えるものは少なくなっていくのです。インフレ調整後の給与(いわゆる「実質給与」)とは、何年かのインフレを経たあとに、あなたの名目給与が「今の購買力」に換算して実際にどれだけの価値を持つのかを示すものです。この計算ツールは通貨に依存しないため、どの国でも利用できます。お住まいの国のインフレ率を入力するだけでOKです。
使い方
現在の(名目)給与、想定する年平均インフレ率(%)、そして影響を測りたい年数を入力してください。ツールは、実質給与、通貨ベースで失われた購買力の金額、そしてその損失が元の給与に対して何%にあたるかを算出します。
計算式の解説
基本となる式は次のとおりです。
$$\text{実質給与} = \dfrac{\text{名目給与}}{(1 + r)^{n}}$$ここで \(r\) は年間インフレ率を小数で表したもの(3% = 0.03)、\(n\) は年数を表します。分母の \((1 + r)^{n}\) は複利の係数であり、インフレが年を追うごとに積み重なっていく様子を反映しています。
具体例で見てみる
たとえば、現在の給与が 60,000 で、インフレ率が年平均 3%、期間が 5 年だとします。係数は \((1.03)^{5} \approx 1.159274\) です。60,000 を 1.159274 で割ると、実質給与は約 51,756 となります。
$$\frac{60{,}000}{(1.03)^{5}} \approx \frac{60{,}000}{1.159274} \approx 51{,}756$$つまり、給与がインフレに追いつかなければ、およそ 8,244 ぶん(約 13.7%)の購買力が失われている計算になります。
よくある質問
これは「インフレに勝つために必要な昇給額」と同じですか? 厳密には異なります。このツールが示すのは、現在の給与が将来どれだけの価値になるかです。インフレに追いつくために必要な額を知りたい場合は、給与に \((1 + r)^{n}\) を掛けてください。
インフレ率はどの数値を使えばよいですか? お住まいの国のCPI(消費者物価指数)の平均インフレ率や、その予測値を使いましょう。多くの先進国では2~3%程度を目標としています。
なぜ損失が複利で膨らむのですか? 各年のインフレは、すでに目減りした金額を基準に適用されるため、期間が長くなるほど損失が加速していくからです。