被写界深度とは
被写界深度(DoF)とは、写真の中でピントが合っているように見える距離の範囲のことです。厳密にピントが合う面は1つだけですが、その手前や奥にある被写体も、ボケの大きさが「許容錯乱円」と呼ばれる基準値以下に収まっている限り、十分にシャープに見えます。この計算機は純粋な幾何光学に基づいているため、国や地域を問わず、あらゆるカメラにそのまま適用できます。
この計算機の使い方
次の4つの値を入力します。レンズの焦点距離(mm)、F値(絞り。例えば f/2.8 なら 2.8)、被写体までの距離(m)、そして許容錯乱円(mm)です。許容錯乱円は、フルサイズ(35mm判)センサーなら 0.03 mm、APS-C ならおおよそ 0.02 mm を目安にしてください。計算結果として、被写体を基準とした前方・後方の被写界深度、被写界深度の合計、前後のピント限界(近点・遠点)、そして過焦点距離が表示されます。
計算式の解説
まず過焦点距離を \(H = \frac{f^{2}}{N \cdot c} + f\) で求めます。近点(手前のピント限界)は \(D_{near} = \frac{s\,(H-f)}{H+s-2f}\)、遠点(奥のピント限界)は \(D_{far} = \frac{s\,(H-f)}{H-s}\) です。すべての長さは mm 単位で計算します(被写体距離はメートルに 1000 を掛けて mm に換算します)。被写体までの距離が過焦点距離に達するか、それを超えると、遠点は無限大となり、被写界深度は無限遠まで広がります。
計算例
50 mm レンズを f/2.8、被写体までの距離 10 m(\(s = 10000\) mm)、\(c = 0.03\) mm で使う場合:$$H = \frac{2500}{0.084} + 50 = 29811.90 \text{ mm}$$ $$D_{near} = \frac{10000 \times 29761.90}{39711.90} = 7494.46 \text{ mm}$$ $$D_{far} = \frac{10000 \times 29761.90}{19811.90} = 15022.74 \text{ mm}$$ となります。したがって前方の被写界深度 = 2505.54 mm(約 2.51 m)、後方の被写界深度 = 5022.74 mm(約 5.02 m)、合計の被写界深度 = 7528.28 mm(約 7.53 m)になります。
よくある質問
なぜ後方の被写界深度のほうが前方より広いのですか? 一般的な撮影距離では、ピントが合って見える範囲は、被写体の手前側に比べて奥側へおおよそ2倍ほど広がります。これは光学的にピント面を中心として対称にはならないためです。
結果が「無限大」になるのはどういう意味ですか? 過焦点距離以上の位置にピントを合わせると、近点から無限遠までのすべてがシャープに写ります。そのため遠点も被写界深度の合計も無限大になります。
被写界深度を深く(広く)するにはどうすればよいですか? 絞りを絞る(F値を大きくする)、焦点距離を短くする、または被写体までの距離を遠くしてください。