電気移動度とは?
電気移動度(μ)とは、電子やホールといった荷電粒子が、電場を加えられたときに物質中をどれだけ速く動くかを表す指標です。単位電場あたりのドリフト速度の大きさとして \(\mu = v_d / E\) と定義され、ドルーデモデルでは「電荷 × 緩和時間 ÷ キャリアの有効質量」、すなわち \(\mu = q\tau/m\) で表されます。SI単位は平方メートル毎ボルト秒 \(\text{m}^2/(\text{V}\cdot\text{s})\) です。
この計算ツールの使い方
入力するのは次の3つの値です。クーロン単位のキャリア電荷 q(電子の電荷は約1.602×10⁻¹⁹ C)、秒単位の平均自由時間または緩和時間 τ、そしてキログラム単位のキャリアの有効質量 m(自由電子の質量は9.109×10⁻³¹ kg)です。値を入力すると、移動度が瞬時に表示されます。1.602e-19 のような指数表記も使えます。
公式の解説
ドルーデモデルでは、キャリアを電場Eのもとで加速し、平均してτ秒ごとに散乱して運動量を失う粒子として扱います。定常状態でのドリフト速度は \(v_d = (q\tau/m)\cdot E\) となるため、移動度 \(\mu = v_d / E\) は次のように整理できます。
$$\mu = \frac{\text{Charge }q \cdot \text{Relaxation time }\tau}{\text{Effective mass }m}$$
電荷が大きいほど、また散乱までの時間が長いほど移動度は大きくなり、有効質量が重いほど小さくなります。
計算例
\(q = 1.602\times10^{-19}\ \text{C}\)、\(\tau = 2.5\times10^{-14}\ \text{s}\)、\(m = 9.109\times10^{-31}\ \text{kg}\) の電子の場合:
$$\mu = \frac{1.602\times10^{-19} \times 2.5\times10^{-14}}{9.109\times10^{-31}} \approx 4.396\times10^{-3}\ \text{m}^2/(\text{V}\cdot\text{s})$$
となり、これは典型的な金属の値です。
よくある質問
移動度は電場の強さに依存しますか? 単純なモデルでは依存しません。μは物質固有の性質です。ただし非常に強い電場では速度飽和が起こり、電場に依存するようになります。
有効質量とは何ですか? 結晶格子の中でキャリアが見かけ上持つ質量のことで、自由電子の質量とは異なる場合があります。
気体や液体中のイオンにも使えますか? 使えます。同じ \(\mu = v_d/E\) の定義が成り立ちますが、その場合のτとmはイオンに対応する値になります。