高低点法とは?
高低点法(こうていてんほう)は、原価計算で使われる手法で、混合費(準変動費)を変動費と固定費の2つの要素に分解するために用います。利用するデータは「操業度が最も高かった期」と「最も低かった期」のたった2点のみ。そのため、総原価 = 固定費 +(単位あたり変動費 × 操業度)という原価方程式を手早く見積もれるのが特徴です。
この計算ツールの使い方
操業度(生産数量、作業時間、機械稼働時間など)と総原価を、最高操業度の期と最低操業度の期それぞれについて入力してください。ツールが単位あたり変動費、1期あたりの固定費の見積もり、そして最高点における原価方程式の検算結果を表示します。
計算式の解説
まず変動費率は、原価の差を操業度の差で割って求めます:(最高原価 − 最低原価)÷(最高操業度 − 最低操業度)。これにより、操業度に応じて変動するコスト部分だけを抽出できます。次に固定費は、どちらかの点の総原価から変動費部分を差し引いて算出します:固定費 = 総原価 −(単位あたり変動費 × 操業度)。最高点・最低点のいずれで計算しても、固定費は同じ値になるはずです。
$$V = \frac{\text{High Cost} - \text{Low Cost}}{\text{High Units} - \text{Low Units}}$$
$$F = \text{High Cost} - V \cdot \text{High Units}$$
計算例
例えば、最高操業度では1,200個を生産し原価が9,000ドル、最低操業度では400個で原価が5,000ドルだったとします。単位あたり変動費 = \((9{,}000 - 5{,}000) \div (1{,}200 - 400) = 4{,}000 \div 800 =\) 1個あたり5.00ドル。固定費 = \(9{,}000 - (5.00 \times 1{,}200) = 9{,}000 - 6{,}000 =\) 1期あたり3,000ドル。したがって原価方程式は、総原価 = 3,000ドル + 5.00ドル × 生産数量、となります。
よくある質問
なぜ2点しか使わないのですか? この手法はあえてシンプルに設計されています。精度よりもスピードを重視し、中間のデータはすべて無視するのです。
どんな限界がありますか? 最高点と最低点という両極端のデータに依存するため、異常値や特殊な期があると見積もりが歪んでしまいます。ばらつきの大きいデータには、回帰分析のほうが正確です。
操業度は数量ではなく時間でもよいですか? はい。原価と操業度を一貫した基準で測定していれば、作業時間、機械稼働時間、走行距離など、あらゆる原価作用因(コストドライバー)を操業度として使えます。