挿入損失とは?
挿入損失とは、コネクタ、ケーブル、フィルタ、分配器、アッテネータといった部品を伝送路に「挿入」したときに生じる信号電力の損失のことです。単位はデシベル(dB)で表され、RF(高周波)、マイクロ波、光ファイバの分野で最も重要な性能指標のひとつとされています。挿入損失が小さいほど、より多くの信号が部品を通過して届くことを意味します。
この計算ツールの使い方
部品に入る電力である入力電力(P_in)と、部品を通過した後に測定される出力電力(P_out)を入力してください。両方の値は同じ単位で揃える必要があります(ここではミリワットを使用していますが、結果は電力の「比」だけで決まるため、単位が揃ってさえいればどの電力単位でも構いません)。計算ボタンを押すと、挿入損失がデシベルで表示され、あわせて電力比も求められます。
計算式の解説
デシベル単位の挿入損失は次のように定義されます。
$$\text{IL (dB)} = 10 \cdot \log_{10}\!\left(\frac{\text{P}_{in}\text{ (mW)}}{\text{P}_{out}\text{ (mW)}}\right)$$係数が10になるのは、ここで扱っているのが電力比だからです。もし電圧や振幅の比を扱う場合は、係数20を使います。結果が正の値であれば、実際に損失がある(出力が入力より小さい)ことを示します。\(\text{P}_{in}\) と \(\text{P}_{out}\) が等しい場合、損失は0 dB となり、理論上は無損失の部品ということになります。
計算例
たとえば、10 mW がケーブルに入り、出てくるのが5 mW だけだったとします。比は \(10 / 5 = 2\) です。したがって $$\text{IL} = 10 \cdot \log_{10}(2) = 10 \cdot 0.30103 \approx 3.01\ \text{dB}$$ となります。これはよく知られた「3 dB ルール」です。電力が半分になることは、3 dB の損失に相当します。
よくある質問
結果がマイナスになるのはなぜ? 出力電力が入力電力より大きい場合(例:アンプを通した場合)、この式の答えは負の値になります。これは損失ではなく「利得(ゲイン)」を表します。
単位は何でもいい? はい。\(\text{P}_{in}\) と \(\text{P}_{out}\) が同じ単位であれば、比(つまり dB の結果)は変わりません。
挿入損失はどのくらいの値が良いの? 部品によって異なります。コネクタなら 1 dB に満たない程度の場合もありますが、フィルタや長いケーブルでは数 dB に達することもあります。一般的には値が小さいほど良いとされます。