内部抵抗とは?
実際の電池や電気化学セルには、電解液・電極材料・接続部などに起因するごくわずかな抵抗が必ず内部に存在します。この内部抵抗(\(r\))こそが、電池が負荷に電流を流したときに端子電圧が下がる原因です。内部抵抗は電気エネルギーの一部を熱に変えてしまうため、取り出せる有効電圧が減り、セルから流せる電流の上限も制限されます。
この計算ツールの使い方
入力するのは次の3つの値です。セルの起電力(EMF:開放電圧)、電流が流れている状態で測定した端子電圧、そして回路に流れる電流です。これらを入力すると、内部抵抗(単位:オーム)が瞬時に求められ、あわせて内部抵抗で生じる電圧降下の合計も表示されます。
計算式の解説
この関係式は、負荷に電流を供給するセルにキルヒホッフの電圧則を適用することで導かれます。
$$r = \frac{\text{EMF} - V}{I}$$
ここで EMF は無負荷時の電圧、\(V\) は負荷がかかった状態での端子電圧、\(I\) は電流です。分子の(\(\text{EMF} - V\))は電池内部で「失われた」電圧を表し、これを電流で割ることで、その損失を生み出している抵抗値が得られます。内部抵抗が小さいほど、健全で効率の良いセルだといえます。
計算例
起電力(EMF)12 V の電池が、ヘッドライトに 2 A を供給している状態で、端子電圧が 11.4 V を示しているとします。電圧降下は \(12 - 11.4 = 0.6\) V です。これを電流 2 A で割ると、$$r = \frac{0.6}{2} = 0.3\ \Omega$$ となります。つまり、この電池の内部抵抗は 0.3 オームです。
よくある質問(FAQ)
なぜ内部抵抗は時間とともに大きくなるのですか? 電池は劣化するにつれて、化学変化や腐食が進み内部抵抗が上昇します。その結果、負荷時の端子電圧が下がり、容量も低下します。
起電力(EMF)はどのように測定しますか? 電流が流れていない状態で、高入力インピーダンスの電圧計を使って開放電圧を測定します。この測定値が EMF のおおよその値となります。
内部抵抗はどのくらいの値が良いのですか? セルの種類によって異なります。健全な単3アルカリ電池では 1 Ω を大きく下回ることが多く、大型の鉛蓄電池では数ミリオーム程度になることもあります。一般的には、値が小さいほど良好です。