慣性モーメントとは?
慣性モーメント(I)は、剛体がある軸まわりの回転運動の変化にどれだけ抵抗するかを表す量です。直線運動における「質量」に相当する、回転運動版の慣性の指標といえます。慣性モーメントが大きいほど、その物体を角加速させるのに必要なトルクも大きくなります。SI単位はキログラム平方メートル(kg・m²)です。
計算式
多くの代表的な形状では、その自然な回転軸まわりの慣性モーメントを \(I = k\cdot m\cdot r^{2}\) という簡潔な形で表せます。ここで m は質量、r は代表半径(棒の場合は長さ)、k は無次元の形状係数です。適切な k を選ぶことで、質量が軸に対してどのように分布しているかが反映されます。質量が軸から遠いほど k は大きくなり、結果として I も大きくなります。
代表的な係数は次のとおりです。中実円柱・円板 \(k = \tfrac{1}{2}\)、薄肉リング \(k = 1\)、中実球 \(k = \tfrac{2}{5}\)、中空(薄肉)球 \(k = \tfrac{2}{3}\)、重心まわりに回転する細い棒 \(k = \tfrac{1}{12}\)(このとき r は棒の全長 L を表します)。
計算ツールの使い方
対象物に合う形状を選び、質量をキログラム、半径(棒の場合は長さ)をメートルで入力すると、慣性モーメントが kg・m² で表示されます。あわせて使用した形状係数も表示されるので、前提条件を確認できます。
計算例
質量 10 kg、半径 0.5 m の中実円板では \(k = \tfrac{1}{2}\) です。したがって $$I = 0.5 \times 10 \times 0.5^{2} = 0.5 \times 10 \times 0.25 = 1.25\ \text{kg}\cdot\text{m}^{2}$$ となります。同じ質量を薄肉リング(\(k = 1\))として配置した場合、すべての質量が外周に集まるため、結果は2倍の 2.5 kg・m² になります。
よくある質問
回転軸によって値は変わりますか? はい、変わります。これらの形状係数は、標準的な対称軸まわりの回転(たとえば円板の中心を通る軸や、棒の中心を垂直に貫く軸)を前提としています。それ以外の軸については、平行軸の定理を用いてください。
棒の場合、r にはどの値を使いますか? 棒のオプションを選ぶときは、棒の全長 L を入力してください。\(k = \tfrac{1}{12}\) は \(I = \tfrac{1}{12}mL^{2}\) として定義されているためです。
他の単位は使えますか? この式は単位系に依存しません。質量と長さを同じ単位系で入力すれば、結果もその単位系に従います(たとえば kg と m なら kg・m²)。