この計算ツールでできること
このツールは、1個の理想電圧源(起電力E1)と3個の抵抗で構成される、定番の直流回路を解きます。回路構成は、R1にR2とR3の並列接続を直列でつないだ形です。電源から流れ出した電流I1はまずR1を通り、分岐点でI2(R2側)とI3(R3側)に分かれ、再び合流して電源へ戻ります。純粋な物理法則にもとづくため、どの国・地域でもまったく同じように使えます。
使い方
まず電源電圧E1を入力し、その単位(V、kV、mV など)を選びます。続いてR1・R2・R3を入力します。3つの抵抗値はすべて共通の単位セレクター(Ω、kΩ、MΩ …)を使います。計算前にすべての値はSI単位(ボルト・オーム)に換算され、3つの枝電流はアンペア(A)で表示されます。正常に解くためには、各抵抗値を0より大きくしてください。
計算式の解説
キルヒホッフの電流則より、\(I_1 = I_2 + I_3\) となります。並列部分の合成抵抗は \(R_p = \frac{R_2\cdot R_3}{R_2+R_3}\) なので、電源から見た全抵抗は \(R_{total} = R_1 + R_p\) です。オームの法則から電源電流は \(I_1 = \frac{E}{R_{total}}\) で求まります。並列部分にかかる電圧は \(V_p = I_1\cdot R_p\) であり、各枝にはその電圧を自身の抵抗で割った電流が流れます。これを整理すると分流の法則になり、次のようになります。
$$I_2 = I_1\cdot\frac{R_3}{R_2+R_3}, \quad I_3 = I_1\cdot\frac{R_2}{R_2+R_3}$$
計算例
\(E = 12\,\text{V}\)、\(R_1 = 8\,\Omega\)、\(R_2 = 4\,\Omega\)、\(R_3 = 2\,\Omega\) のとき:
$$R_p = \frac{4\times 2}{4+2} = 1.3333\,\Omega, \quad R_{total} = 9.3333\,\Omega$$よって
$$I_1 = \frac{12}{9.3333} = 1.2857\,\text{A}$$分流すると
$$I_2 = 1.2857 \times \frac{2}{6} = 0.4286\,\text{A}, \quad I_3 = 1.2857 \times \frac{4}{6} = 0.8571\,\text{A}$$検算:\(0.4286 + 0.8571 = 1.2857\,\text{A} = I_1\) となり、キルヒホッフの電流則が成り立っていることが確認できます。
よくある質問
なぜ抵抗が小さい枝のほうが電流が大きいのですか? 並列接続された2つの枝には同じ電圧がかかるため、電流は抵抗に反比例します。したがって抵抗の小さい枝(この例ではR3)に大きな電流が流れます。
電圧をマイナスにしてもよいですか? はい。電源を負の値にすると極性が反転し、すべての電流も負の値として求まります。ただし抵抗値は、物理的に意味のある結果を得るために正の値である必要があります。
R2やR3を0にするとどうなりますか? 抵抗が0の枝は並列部分を短絡させ(\(R_p = 0\))、すべての電流がもう一方の枝を迂回します。たとえば \(R_2 = 0\) の場合、\(I_3 = 0\) となり \(I_2 = I_1\) になります。R1とRpがともに0の場合は理想的な短絡となり、電流は「未定義」として表示されます。