ポンプ馬力とは?
ポンプ馬力とは、遠心ポンプが所定の流量と揚程で流体を送るために必要な動力のことです。ここでは2つの値が重要になります。1つは水動力(水馬力)で、これは流体に実際に伝わる有効なエネルギーを表します。もう1つは軸動力(BHP:ブレーキ馬力)で、ポンプ内部の損失(効率)を考慮したうえでモーターが実際に供給しなければならない、より大きな動力を指します。本ツールは、この両方を馬力(hp)とキロワット(kW)の両単位で算出します。なお、流量の単位GPM(ガロン毎分)や揚程のフィートは米国式の単位である点にご注意ください。
使い方
流量をGPM(ガロン毎分)で、全揚程(実揚程と損失を含む全動的揚程)をフィートで入力します。続いて流体の比重(水なら1.0)と、ポンプ効率をパーセントで入力してください。入力すると、シャフトで必要となる軸動力(BHP)、流体に伝わる水動力、そしてモーター選定に役立つkW換算値が表示されます。
計算式の解説
基本となる式は $$\text{BHP} = \frac{\text{Flow (GPM)} \times \text{Head (ft)} \times \text{Specific Gravity}}{3960 \times \dfrac{\text{Efficiency (\%)}}{100}}$$ です。定数3960は、ガロン毎分とフィート単位の揚程を馬力に換算するための係数で、これは「1馬力あたり33,000 ft·lb/min」を「水1ガロンあたり8.33 lb」で割って得られます。比重(SG)を掛けることで、水より重い・軽い流体に合わせて補正します。最後に効率η(小数で表記)で割ることで、ポンプ内部の損失を反映します。
計算例
水(SG = 1.0)を100 GPM、揚程100 ft、効率70%で送るポンプの場合を考えます。水動力 $$\text{WHP} = \frac{100 \times 100 \times 1.0}{3960} = 2.525 \text{ hp}$$ となります。軸動力(BHP)$$\text{BHP} = \frac{2.525}{0.70} = 3.608 \text{ hp}$$ つまり約2.69 kW です。実際には、これを上回る定格のモーターを安全余裕(マージン)を見込んで選定するのが一般的です。
よくある質問(FAQ)
比重はどの値を使えばよいですか? 標準状態の水なら1.0を使用します。それ以外の液体ではその流体固有の値を使ってください(例:多くの油は約0.85、ブライン(塩水)は1.0超)。
なぜ軸動力は水動力より大きくなるのですか? 効率100%のポンプは存在しないため、モーターは流体に実際に伝わる動力よりも多くの動力を供給する必要があります。\(\text{BHP} = \text{WHP} \div \text{Efficiency}\)、という関係です。
モーターはどう選定すればよいですか? BHP以上の定格を持つモーターを選び、安全な連続運転のためにサービスファクター分の余裕(一般に10〜25%)を上乗せします。