臨界角とは?
光が屈折率の高い媒質(密な媒質、n₁)から屈折率の低い媒質(疎な媒質、n₂)へ進むとき、光は法線から離れる方向に屈折します。入射角を大きくしていくと屈折光はさらに大きく曲がり、やがて境界面に沿って進むようになります。このときの入射角を臨界角(θc)と呼びます。臨界角を超えると光は屈折して外へ出ることができず、すべて内側へ反射されます。これが全反射(TIR)と呼ばれる現象です。全反射は、光ファイバーが長距離にわたって光を伝える仕組みや、ダイヤモンドが輝く理由でもあります。
この計算ツールの使い方
まず、光が現在進んでいる密な媒質の屈折率(n₁)を入力し、続いて光が進もうとしている疎な媒質の屈折率(n₂)を入力します。「計算」ボタンを押すと、臨界角が度(°)とラジアンの両方で表示されます。臨界角は物理的に \(n_1 > n_2\) のときしか存在しないため、この条件を満たす場合のみ結果が表示されます。
計算式の解説
臨界角はスネルの法則 \(n_1 \cdot \sin(\theta_c) = n_2 \cdot \sin(90°)\) から直接導かれます。\(\sin(90°) = 1\) であるため、式を整理すると \(\sin(\theta_c) = n_2/n_1\) となり、したがって次の式が得られます。
$$\theta_c = \arcsin\!\left(\frac{\text{n}_2}{\text{n}_1}\right)$$
アークサイン(逆正弦)が定義されるには \(n_2/n_1\) の比が 1 以下である必要があり、これがまさに \(n_1 > n_2\) という条件に対応しています。
計算例
ガラス(\(n_1 = 1.5\))の中を進んできた光が、空気(\(n_2 = 1.0\))へ向かう場合を考えます。比は \(1.0/1.5 = 0.6667\) となり、
$$\theta_c = \arcsin(0.6667) \approx 41.81°$$
です。つまり、ガラスと空気の境界面に法線から約41.8°より大きい角度で当たった光は、すべて全反射されることになります。
よくある質問(FAQ)
計算結果が表示されないのはなぜですか? 臨界角は、密な媒質から疎な媒質へ光が進むときにのみ存在します。\(n_2\) が \(n_1\) 以上の場合、光は必ず屈折して外へ出てしまうため、全反射は起こらず臨界角も存在しません。
空気中のダイヤモンドの臨界角はどのくらいですか? \(n_1 \approx 2.42\)、\(n_2 = 1.0\) とすると、\(\theta_c = \arcsin(1/2.42) \approx 24.4°\) となります。この小さな臨界角こそが、ダイヤモンドが内部に光を閉じ込めて強く反射し、まばゆく輝く理由です。
波長は影響しますか? わずかに影響します。屈折率は波長によって変化する(分散)ため、厳密な計算を行う場合は、対象とする光の色に応じた屈折率を使用してください。