回折格子とは?
回折格子とは、等間隔に並んだ多数の平行なスリットや溝をもつ光学素子です。光が通過(または反射)すると波が干渉し合い、特定の角度に鋭い明るいピーク(極大)が現れます。この計算ツールは回折格子の式 \(d\cdot\sin\theta = m\cdot\lambda\) を用いて、ある波長の光が指定した次数 m に回折される角度 θ を求めます。あらゆる波長・格子密度に対応するため、世界共通で利用でき、国ごとのルールに左右されることはありません。
使い方
まず、1ミリメートルあたりの本数(格子に印字されている代表的な仕様で、例:600 lines/mm)で格子密度を入力します。次に光の波長をナノメートル単位で、回折次数 m(1なら一次の明線、2なら二次、以降同様)を入力してください。本ツールは lines/mm をスリット間隔 d に換算し、θ を計算します。物理的にあり得ない組み合わせ、つまり \(m\cdot\lambda/d\) が 1 を超える場合は、回折の極大が存在しないことをお知らせします。
計算式の解説
スリット間隔は \(d = 1 /(\text{1メートルあたりの本数})\) で求まります。隣り合うスリットを通った光の経路差は \(d\cdot\sin\theta\) です。経路差が波長の整数倍に等しいとき、強め合う干渉(明線)が起こります:
$$d\cdot\sin\theta = m\cdot\lambda$$これを変形すると
$$\theta = \arcsin\!\left( \frac{m\,\lambda}{d} \right)$$となります。次数が大きいほど、また波長が長いほど光は大きな角度に曲がります。これが、回折格子が白色光をスペクトルに分ける理由です。
計算例
600 lines/mm の格子では、\(d = 1/600\ \text{mm} = 1666.67\ \text{nm}\) となります。波長 \(\lambda = 550\ \text{nm}\) の緑色光を一次(m = 1)で考えると、
$$\sin\theta = \frac{1 \times 550}{1666.67} = 0.33$$となり、\(\theta = \arcsin(0.33) \approx 19.27^\circ\) です。
よくある質問
「極大が存在しません」と表示されたら? これは \(m\cdot\lambda/d > 1\) を意味します。\(\sin\theta\) は 1 を超えられないため、数学的に成立しません。次数を下げるか、1mmあたりの本数が少ない格子を使ってください。
なぜ lines/mm を間隔に換算するのですか? 式に必要なのはスリット間の実際の距離 d であり、これは線密度の逆数だからです。
反射型の回折格子にも使えますか? はい。垂直入射の場合、透過型でも反射型でも同じ式が成り立ちます。