2×2固有ベクトル計算ツールとは?
このツールは、2×2行列 \(A = [[a, b], [c, d]]\) の固有値と固有ベクトルを求めます。固有ベクトル \(v\) とは、行列をかけても向きが変わらず、伸び縮みするだけのゼロでないベクトルのことです。式で表すと \(Av = \lambda v\) となり、このスカラー \(\lambda\) が固有値です。固有ベクトルは線形変換が持つ「自然な軸(基準方向)」を明らかにするもので、微分方程式、主成分分析(PCA)、振動解析、量子力学など幅広い分野で中心的な役割を果たします。
使い方
行列の4つの要素 — a(左上)、b(右上)、c(左下)、d(右下) — を入力すると、2つの固有値と、それぞれに対応する代表的な固有ベクトルが表示されます。固有ベクトルはスカラー倍の自由度があるため、結果をゼロでない数で何倍しても同じく正しい固有ベクトルになります。
計算式の解説
固有値は特性方程式 \(\det(A - \lambda I) = 0\) を解いて求めます。これを展開すると \(\lambda^2 - (a+d)\lambda + (ad-bc) = 0\) となり、二次方程式の解の公式を使うと次が得られます。
$$\lambda = \frac{(a+d) \pm \sqrt{(a+d)^2 - 4(ad-bc)}}{2}$$各 \(\lambda\) について \((A - \lambda I)v = 0\) を解けばよく、扱いやすい固有ベクトルとして \(v = (b,\ \lambda - a)\)、\(b = 0\) のときは \(v = (\lambda - d,\ c)\) が使えます。
計算例
\(A = [[2, 1], [1, 2]]\) を考えてみましょう。トレース(対角和)\(= 4\)、行列式 \(= 4 - 1 = 3\)、判別式 \(= 16 - 12 = 4\) です。したがって \(\lambda = (4 \pm 2)/2 = 3\) と \(1\) になります。\(\lambda_1 = 3\) のとき:\(v = (b,\ \lambda - a) = (1, 1)\)。\(\lambda_2 = 1\) のとき:\(v = (1, -1)\)。これらは対称行列でおなじみの、対角方向にあたる固有ベクトルです。
よくある質問
教科書と固有ベクトルが違うのですが? 固有ベクトルはスカラー倍の自由度があり、一意に決まるのは「向き」だけです。たとえば \((1, 1)\) と \((2, 2)\) は同じ固有ベクトルを表します。
判別式がマイナスになる場合は? その行列は複素数(互いに共役)の固有値を持ちます。本ツールは共通の実部を表示し、複素数のケースであることを知らせます。
対角行列でも使えますか? はい。\(b = c = 0\) のときは、標準基底ベクトル \((1, 0)\) と \((0, 1)\) がそのまま固有ベクトルになります。