この計算ツールでできること
温度の異なる2種類の液体を断熱容器の中で混ぜ合わせると、熱は温度の高い液体から低い液体へと移動し、やがて両者は同じ温度(熱平衡)に達します。本ツールは、この熱平衡温度をエネルギー保存則にもとづいて求めます。つまり「温度の高い液体が失った熱量」=「温度の低い液体が得た熱量」という関係を利用しています。水、油、アルコールなど、比熱がわかっている液体であればどんな組み合わせでも計算できます。
使い方
2種類の液体それぞれについて、質量(g)、比熱(J/g·℃)、初期温度(℃)を入力してください。混合後の最終温度に加えて、各液体がやり取りした熱量も表示されます。純水どうしを混ぜる場合は、両方の比熱に 4.18 J/g·℃ を入力します。このとき計算式は、温度を質量で重み付けした加重平均へと単純化されます。
計算式の解説
熱平衡温度は次の式で求められます。
$$T_f = \frac{m_1 c_1 T_1 + m_2 c_2 T_2}{m_1 c_1 + m_2 c_2}$$
各項 \(mcT\) は、その液体が持つ「熱の重み」を表しています。分子はこれらの寄与を合計したもの、分母(全体の熱容量)はその結果を規格化するためのものです。各液体がやり取りした熱量は \(Q = mc(T_f - T_i)\) で求められ、値がマイナスならその液体は冷えた(熱を放出した)こと、プラスなら温まった(熱を受け取った)ことを意味します。
計算例
80℃ の水 200 g と 20℃ の水 300 g を混ぜてみましょう(どちらも \(c = 4.18\))。分子 \(= 200 \cdot 4.18 \cdot 80 + 300 \cdot 4.18 \cdot 20 = 66{,}880 + 25{,}080 = 91{,}960\)。分母 \(= 200 \cdot 4.18 + 300 \cdot 4.18 = 836 + 1{,}254 = 2{,}090\)。よって $$T_f = \frac{91{,}960}{2{,}090} = 44\,\text{℃}$$ となります。熱い水は 80℃ から 44℃ へと冷え(熱を放出)、冷たい水は 20℃ から 44℃ へと温まります。
よくある質問
外部への熱の逃げは考慮されていないのですか? はい。本ツールは完全に断熱された理想的な系を想定しています。そのため、実際の測定では温度差がやや小さくなる(理論値ほど離れない)場合があります。
温度の単位は何でも使えますか? 計算全体で単位をそろえてください(本ツールでは℃を使用)。この式は加重平均なので、ケルビンに換算しなくても摂氏のままで問題なく計算できます。
2つの液体が同じ物質の場合はどうなりますか? 比熱が約分されて消えるため、結果は単純に2つの温度を質量で重み付けした加重平均になります。