フレネル余弦積分とは
フレネル余弦積分 \(C(x)\) は、0 から \(x\) までの \(\cos(\pi t^{2}/2)\) の定積分として定義される特殊関数です。光学(直線エッジでの近接場回折における光強度分布)や波動物理学、さらには土木工学の分野で広く現れます。土木では、これに関連するクロソイド曲線(オイラー螺旋)が、曲率が弧長に比例して直線的に増加する性質を利用して、道路や鉄道の緩和曲線の設計に用いられています。
計算機の使い方
積分の上限 \(x\) に任意の実数(正・負・ゼロ)を入力すると、\(C(x)\) の値が返されます。\(x\) 自体が無次元の純粋な数値であるため、結果も無次元です。\(|x|\) が大きくなるにつれて、\(C(x)\) は振動しながら \(+0.5\)(\(x \to +\infty\) のとき)または \(-0.5\)(\(x \to -\infty\) のとき)に収束します。
計算式と定義の流儀
本ツールでは、余弦の引数に \(\pi/2\) の係数を含める「正規化形(normalized)」の流儀を採用しています:
$$C(x) = \int_{0}^{x} \cos\!\left(\frac{\pi}{2}\,t^{2}\right) dt$$これは \(\int\cos(t^{2})\) と書く非正規化形とは異なる点に注意してください。閉じた形の解が存在しないため、値は合成シンプソン則を用いた数値積分で求めます。分割数は \(x\) に応じて細かく設定され、\(n = \max(1000, \lceil 200\cdot|x| \rceil)\) としています。\(|x|\) が非常に大きい場合は、膨大な回数の振動を直接積分するのを避けるため、漸近展開を用いています。
計算例
\(x = 1\) のとき、 $$C(1) = \int_{0}^{1} \cos\!\left(\frac{\pi}{2}\,t^{2}\right) dt$$ となります。数値積分により、標準的な値として \(C(1) \approx 0.7798934004\) が得られます。\(x = 0.5\) のときは \(C(0.5) \approx 0.4923442275\)、\(x = 0\) のときは \(C(0) = 0\)(厳密値)となります。
よくある質問
\(C(x)\) は奇関数ですか、偶関数ですか? 奇関数です:\(C(-x) = -C(x)\)。したがって負の値を入力すると、\(C(|x|)\) の符号を反転した値が返されます。
無限大での極限値はいくつですか? \(x\) が正の方向に大きくなると \(C(x)\) は \(+1/2\) に、負の方向に大きくなると \(-1/2\) に近づきます。
計算結果の精度はどのくらいですか? 倍精度のシンプソン法では、通常の入力に対しておよそ有効数字10桁の信頼できる精度が得られます。50桁といった真の高精度出力には、任意精度演算が必要になります。