フレネル正弦積分とは
フレネル正弦積分 \(S(x)\) と、これと対をなす余弦積分 \(C(x)\) は、光学(フレネル回折)やアンテナ理論、コルニュらせん(オイラーらせん)の幾何など、幅広い分野に登場する特殊関数です。本ツールでは \(\pi/2\) 正規化の定義を採用しており、\(S(x)\) を 0 から \(x\) までの \(\sin(\pi t^2 / 2)\) の積分、\(C(x)\) を同じ範囲の cos の積分として定義します。この定義のもとでは、\(x\) が正の無限大に近づくにつれて両関数とも \(1/2\) に収束します。
使い方
\(x\) には正・負を問わず任意の実数を入力し、表示する小数桁数を選んでください。被積分関数は \(t\) について偶関数なので、\(S(x)\) と \(C(x)\) は奇関数となり、\(S(-x) = -S(x)\)、\(C(-x) = -C(x)\) が成り立ちます。本ツールは絶対値を計算したうえで符号を自動的に付与します。\(x = 0\) のときは両積分とも厳密に 0 になります。
計算式の解説
初等関数による閉じた式は存在しないため、数値的に評価します。引数が中程度までの範囲では、収束の速いべき級数を用います。$$S(x) = \sum (-1)^n \frac{(\pi/2)^{2n+1} x^{4n+3}}{(2n+1)! \, (4n+3)}$$ であり、\(C(x)\) も同様の級数で表されます。\(|x|\) が大きい場合は被積分関数が激しく振動するため、分割数を \(x^2\) に比例させて精度を保った合成シンプソン則に切り替えます。
計算例(x = 1)
級数を順に足し合わせると、$$0.52359878 - 0.09228062 + 0.00724487 - 0.00031216 + 0.00000845 + \ldots$$ となり、\(S(1) \approx 0.4382591474\) が得られます。これは公表されている基準値 \(0.4382591473903\) と一致します。対となる値は \(C(1) \approx 0.7798934004\) です。
よくある質問
どの正規化を使っていますか? sin・cos の内部に \(\pi/2\) の係数を含む \(\pi/2\) 正規化形式です。そのため極限値は \(\sqrt{\pi/8}\) を含む形ではなく \(1/2\) になります。
x が大きいとどうなりますか? \(S(x)\) と \(C(x)\) は振幅を徐々に小さくしながら \(1/2\) の周りで振動し、\(x\) が無限大に向かうと \(1/2\) に(負の無限大に向かうと \(-1/2\) に)収束します。
C(x) も計算されますか? はい。主たる出力 \(S(x)\) と並べて、対となる余弦積分 \(C(x)\) も補助的な結果として表示します。