この計算ツールでできること
このツールは、イスラム教における1日5回の礼拝時刻——ファジュル(夜明け前)、ズフル(正午過ぎ)、アスル(午後)、マグリブ(日没後)、イシャー(夜)——に加え、日の出とイスラム暦の真夜中を、地球上のあらゆる地点について複数日にわたる時刻表として作成します。さらに、メッカのカアバ神殿へ向かう方位角であるキブラ方位も算出します。計算には世界中で広く使われているpraytimes.orgの天文アルゴリズムを採用しているため、特定の国に依存することはなく、選択した計算方式(メソッド)に従ってどの地域でも利用できます。
使い方
まずグレゴリオ暦(西暦)の開始日を入力し、何日間連続で表示するか(1週間・2週間・1ヶ月)を選びます。地点情報として、経度(東経をプラス、西経をマイナス)と緯度(北緯をプラス、南緯をマイナス)を十進度で入力し、UTCからの時差(時間)と標高(メートル)も指定してください。サマータイム(夏時間)のオン・オフを切り替え、計算方式(ファジュルとイシャーの薄明角度がそれぞれ設定されます)と、アスルの法学派方式(標準派またはハナフィー派)を選択します。結果は、各礼拝時刻を現地時刻のHH:MM形式で示したカレンダー表として表示されます。
計算式の解説
各日について、ユリウス日から太陽の赤緯と均時差が求められます。ズフルは、ご自身の子午線と時差で補正した太陽の南中(正午)です。それ以外のすべての時刻は、太陽が地平線に対して指定の角度だけ上または下にあるときの時角を解いて求めます。
$$\begin{gathered} T_{\text{prayer}} = 12 + \frac{\text{Lng}}{15} + \text{UTC} + \text{DST} - \frac{Eq}{60} \pm \frac{H(\alpha)}{15} \\[1.5em] \text{where}\quad \left\{ \begin{aligned} H(\alpha) &= \arccos\!\left(\frac{-\sin\alpha - \sin\phi\,\sin\delta}{\cos\phi\,\cos\delta}\right) \\ \phi &= \text{Lat} \\ \alpha_{\text{Fajr}} &= 18^{\circ},\quad \alpha_{\text{Isha}} = 17^{\circ} \\ \text{Asr} &: \operatorname{arccot}\!\left(k + \tan|\phi-\delta|\right) \end{aligned} \right. \end{gathered}$$日の出とマグリブには、大気差と標高に応じた地平線の沈み込みを含めた地平角を用います。アスルは、影の長さの係数を1(標準派)または2(ハナフィー派)として計算します。高緯度地域で太陽が必要な薄明の俯角まで沈まない場合は、「角度ベース(Angle-Based)」補正により、夜の長さに対する比例配分でファジュルとイシャーを求めます。
計算例
ベルリン(緯度52.5167、経度13.4、UTC+1、サマータイムあり)で2024年6月15日、ムスリム世界連盟(Muslim World League)方式を用いた場合、ズフルは約13:06、アスルは約17:31、マグリブは約21:30となります。夏の高い太陽が-18度まで沈まないため、ファジュルとイシャーは角度ベースの夜間規則によって調整されます。ベルリンからのキブラ方位は、真北からおよそ136.7度です。
よくある質問
なぜ高緯度地域では夏のファジュルとイシャーが通常と異なるのですか? 太陽が薄明の角度まで沈まないため、角度ベース方式によって夜の長さに対する割合として推定されるからです。
サマータイムは自分で加算する必要がありますか? いいえ。UTCからの時差は標準時のままにして、サマータイムをオンに切り替えてください。ツールが自動的に1時間を加算します。
精度はどのくらいですか? 低精度の太陽計算式でもおよそ1分以内の誤差で求められるため、礼拝の時刻表としては十分実用的です。