この計算ツールでできること
このツールでは、抵抗 \(\text{R}_C\) とコンデンサ \(\text{C}\) を直列接続したRC直列回路と、抵抗 \(\text{R}_L\) とコイル \(\text{L}\) を直列接続したRL直列回路を並列につないだ交流回路について、正弦波周波数 \(\text{f}\) での合成インピーダンスを計算します。インピーダンスの大きさ \(|Z|\) を kΩ・Ω・mΩ の単位で、さらに位相角を度(degree)とラジアン(radian)の両方で表示します。
使い方
各素子の値を入力し、プルダウンから単位を選択してください(選んだ単位に応じた係数でSI単位に換算されます)。続いて駆動周波数とその単位を入力すると、インピーダンスの大きさと位相が求められます。位相角が正の場合は回路全体が誘導性(電流が電圧より遅れる)、負の場合は容量性(電流が電圧より進む)であることを意味します。
計算式の解説
コンデンサの容量性リアクタンスは \(X_c = \frac{1}{\omega\,\text{C}}\)、コイルの誘導性リアクタンスは \(X_l = \omega\,\text{L}\) で表され、ここで \(\omega = 2\pi\text{f}\) です。それぞれの直列回路を複素数で表すと、\(Z_1 = \text{R}_C - jX_c\)、\(Z_2 = \text{R}_L + jX_l\) となります。これらを並列接続の公式 $$Z = \left|\frac{Z_1 \cdot Z_2}{Z_1 + Z_2}\right|$$ で合成します。分母の共役複素数を分子・分母に掛けて整理すると、実部 \(Z_r\) と虚部 \(Z_i\) が得られ、大きさは \(|Z| = \sqrt{Z_r^2 + Z_i^2}\)、位相は \(\text{phase} = \operatorname{atan2}(Z_i, Z_r)\) で求まります。
計算例
\(\text{R}_C = 10\ \Omega\)、\(\text{C} = 500\ \mu\text{F}\)、\(\text{R}_L = 10\ \Omega\)、\(\text{L} = 2\ \text{mH}\)、\(\text{f} = 1\ \text{kHz}\) の場合を考えます。\(\omega = 6283.19\ \text{rad/s}\)、\(X_c = 0.3183\ \Omega\)、\(X_l = 12.566\ \Omega\) となります。複素数計算を進めると \(Z_r = 6.5092\)、\(Z_i = 2.1378\) となり、\(|Z| = 6.851\ \Omega\)、位相 \(= +18.15\) 度、つまりわずかに誘導性の回路であることがわかります。
よくある質問
位相が正のときは何を意味しますか? 回路全体が誘導性として振る舞い、電流が加えた電圧より遅れていることを表します。
直流(\(\text{f} = 0\))のときはどうなりますか? コンデンサは直流を遮断するため、RC直列回路は開放(オープン)状態となり、RL直列回路だけに電流が流れます。本ツールでは極めて低い周波数やゼロの場合を、コンデンサ開放の極限として扱います。
なぜインピーダンスを3つの単位で表示するのですか? kΩ・Ω・mΩ は同じ値を異なるスケールで表したものです。お使いの回路に合わせて読みやすい単位を選べるようにしています。