この計算ツールについて
抵抗Rとコイル(インダクタ)Lを並列に接続し、周波数fの交流電源で駆動したときのインピーダンスの大きさ|Z|と位相角を求めるツールです。物理の基本法則に基づくため、国や地域を問わずどこでも利用でき、特定の制度や規格を前提とした仮定は一切ありません。
使い方
抵抗R、インダクタンスL、電源周波数fを、それぞれ単位接頭辞付きで入力します(例:kΩ、mH、kHz)。本ツールはすべての値をSI単位(オーム、ヘンリー、ヘルツ)に換算し、角周波数を計算したうえで、インピーダンスの大きさをオーム単位、位相角を度(°)単位で出力します。
計算式の解説
RL並列回路ではアドミタンス(導電率の逆数的な量)が加算され、次の関係が成り立ちます:
$$\frac{1}{Z} = \frac{1}{R} + \frac{1}{j \cdot \omega \cdot L}$$ここで\(\omega = 2\pi \cdot f\)は角周波数、\(\omega \cdot L\)は誘導性リアクタンスです。この大きさをとると
$$|Z| = \frac{1}{\sqrt{\left(\dfrac{1}{R}\right)^{2} + \left(\dfrac{1}{\omega \cdot L}\right)^{2}}}$$となります。インピーダンス全体の位相角は
$$\varphi = \arctan\!\left(\frac{R}{\omega \cdot L}\right)$$で求められ、\(180/\pi\)を掛けて度に変換します。並列接続のため、|Z|は抵抗R単独の値を超えることはありません。
計算例
R = 100Ω、L = 10mH = 0.01H、f = 5kHz = 5000Hzの場合を考えます。このとき\(\omega = 2\pi \times 5000 = 31415.93 \ \text{rad/s}\)、\(\omega \cdot L = 314.159 \ \Omega\)となります。したがって \(1/R = 0.01\)、\(1/(\omega \cdot L) = 0.0031831\) です。これらの二乗和は\(1.10132\mathrm{E}{-4}\)で、その平方根は\(0.0104944\)となり、\(|Z| = 95.288 \ \Omega\)が得られます。位相角は
$$\varphi = \arctan\!\left(\frac{100}{314.159}\right) = \arctan(0.31831) = 0.30876 \ \text{rad} = 17.690°$$です。
よくある質問
直流(f = 0)のときはどうなりますか? 理想的なコイルは短絡(ショート)として働くため、\(\omega \cdot L = 0\)となり、インピーダンスは0Ωに、位相角は90°になります。
なぜ|Z|はRより小さくなるのですか? 並列回路ではコイルが電流の通り道を一つ増やすため、回路全体のインピーダンスが抵抗単独の値より低くなるからです。
コイルの抵抗成分は考慮されますか? いいえ。本モデルではインダクタを理想的(損失なし)なものとして扱います。直列抵抗を持つ実際のコイルでは、結果はあくまで近似値となります。