LC並列回路のインピーダンス計算とは
このツールは、コイル(インダクタ)Lとコンデンサ(キャパシタ)Cを並列に接続した理想的な(損失のない)LC並列回路に周波数fの信号を加えたときの、インピーダンスの大きさ|Z|と位相角φを計算します。物理・電子工学の基本的な計算であり、世界共通で利用できます。
使い方
インダクタンス・静電容量・周波数を入力し、それぞれのプルダウンから適切な単位(mH、μH、μF、nF、kHz、MHzなど)を選んでください。計算では、すべての値をまずSI基本単位(ヘンリー、ファラド、ヘルツ)に換算してから処理します。結果には、|Z|(単位:オーム)、位相φ(単位:度)、そして参考値として共振周波数f0が表示されます。
計算式の解説
角周波数は \(\omega = 2\pi f\) で表されます。理想的な並列LCでは、各素子のアドミタンスが足し合わされ、\(1/Z = 1/(j\omega L) + j\omega C = j\cdot(\omega C - 1/(\omega L))\) となります。アドミタンスは純虚数となるため、その大きさは
$$|Z| = \dfrac{1}{\left|\dfrac{1}{\omega L} - \omega C\right|}$$で求められます。位相は、\(1/(\omega L) > \omega C\) のとき(誘導性が優勢)には+90°、\(1/(\omega L) < \omega C\) のとき(容量性が優勢)には−90°となります。そして共振点では分母がゼロになり |Z| は無限大(開放)となり、位相は0°です。共振は
$$f_0 = \dfrac{1}{2\pi\sqrt{LC}}$$で起こります。
計算例
\(L = 10\ \text{mH} = 0.01\ \text{H}\)、\(C = 100\ \mu\text{F} = 1\text{E-4}\ \text{F}\)、\(f = 100\ \text{Hz}\) とします。
$$\omega = 2\pi \cdot 100 = 628.3185\ \text{rad/s}$$$$\frac{1}{\omega L} = \frac{1}{628.3185 \cdot 0.01} = 0.159155\ \text{S}$$$$\omega C = 628.3185 \cdot 1\text{E-4} = 0.0628319\ \text{S}$$$$\text{分母} = |0.159155 - 0.0628319| = 0.0963233\ \text{S}$$$$|Z| = \frac{1}{0.0963233} = 10.3817\ \Omega$$この場合 \(1/(\omega L) > \omega C\) なので回路は誘導性が優勢となり、位相は \(\varphi = +90°\) です。
よくある質問
共振時にインピーダンスが無限大になるのはなぜ? 共振周波数f0では、誘導性アドミタンスと容量性アドミタンスがちょうど打ち消し合い、正味のアドミタンスがゼロになります。これは並列インピーダンスが無限大、つまり理想的な開放状態であることを意味します。
位相が常に±90°または0°になるのはなぜ? これは抵抗を含まない損失のないモデルだからです。正味のアドミタンスが純虚数になるため、位相はちょうど±90°、共振時には0°となります。
直流(f = 0)のときはどうなる? 理想的なコイルは短絡(ショート)状態になるため、\(|Z| \to 0\) となります。