この計算ツールでできること
このツールは、コイル(L)とコンデンサ(C)を直列に接続し、周波数 \(f\) の正弦波電源で駆動したときの、インピーダンスの大きさ \(|Z|\) と位相角を計算します。理想的なLC直列回路には抵抗成分がないため、インピーダンスは純粋なリアクタンスとなり、結果は誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスの差として表されます。
使い方
インダクタンス・キャパシタンス・周波数を入力し、それぞれのプルダウンから対応する単位を選んでください(ヘンリーは mH/uH/nH、ファラドは mF/uF/nF/pF/fF、ヘルツは kHz/MHz/GHz から選択できます)。入力したすべての値はSI基本単位に換算され、\(|Z|\) はΩ(オーム)、位相は度(°)で出力されます。
計算式の解説
角周波数は \(\omega = 2\pi f\) です。誘導性リアクタンスは \(X_L = \omega L\)、容量性リアクタンスは \(X_C = \dfrac{1}{\omega C}\) で求められます。直列インピーダンスは純虚数となり、\(Z = j\left(\omega L - \dfrac{1}{\omega C}\right)\) と表されるため、その大きさは次のようになります。
$$|Z| = \left| \omega L - \frac{1}{\omega C} \right|$$位相は、コイルが優勢のとき +90°、コンデンサが優勢のとき −90°、そして \(\omega L = \dfrac{1}{\omega C}\) が成り立つ直列共振時には 0° になります。
$$\varphi = \begin{cases} +90^{\circ} & \omega L > \dfrac{1}{\omega C} \\[0.6em] -90^{\circ} & \omega L < \dfrac{1}{\omega C} \\[0.6em] 0^{\circ} & \omega L = \dfrac{1}{\omega C} \end{cases}$$
計算例
\(L = 10\ \text{mH} = 0.01\ \text{H}\)、\(C = 1\ \text{uF} = 1\text{e-}6\ \text{F}\)、\(f = 5\ \text{kHz}\) の場合:
$$\omega = 2\pi \times 5000 = 31415.93\ \text{rad/s}$$ $$X_L = 314.159\ \Omega, \quad X_C = 31.831\ \Omega$$ $$|Z| = |314.159 - 31.831| = 282.328\ \Omega$$\(X_L > X_C\) なので回路全体としては誘導性となり、位相は +90° になります。
よくある質問
なぜ位相は常に ±90° になるのですか? 理想的なLC回路は抵抗が0なので、インピーダンスは純粋なリアクタンスとなり、位相は +90°、−90°、または共振時の 0° のいずれかしか取りません。
共振時には何が起こりますか? \(\omega L\) と \(\dfrac{1}{\omega C}\) が等しくなると2つのリアクタンスが打ち消し合い、\(|Z|\) は0まで低下します。これが理想的な直列共振による短絡状態です。
なぜ直流(DC)では \(|Z|\) が無限大になるのですか? 周波数が0のとき、コンデンサは電流を完全に遮断します(開放状態)。そのためインピーダンスは無限大になります。