相対論的ドップラー効果とは
光源が観測者に対して運動していると、測定される波長と周波数が変化します。音波で知られる古典的なドップラー効果とは異なり、相対論版ではローレンツ因子を通じて時間の遅れの効果も加わります。そのため、視線方向に対して垂直に動く場合でも波長のずれが生じるのが特徴です。本計算では、任意の光源速度と運動方向に対して、観測波長・対応する周波数・速度比を求めます。これは特殊相対性理論にもとづく普遍的な物理であり、宇宙のあらゆる場所で成り立ちます。
使い方
光源の静止波長をナノメートル(nm)、相対速度を秒速キロメートル(km/s)、運動方向の角度を度(°)で入力してください。角度の取り方は次のとおりです。0°は光源が真正面から近づいてくる場合(青方偏移)、180°は真後ろへ遠ざかっていく場合(赤方偏移)、90°は視線に対して垂直に横切る運動(純粋な時間の遅れによる赤方偏移)を表します。相対速度は光速 299,792.458 km/s 未満でなければなりません。
計算式の解説
\(\beta = v_0/c\)、\(\gamma = 1/\sqrt{1-\beta^2}\) とおきます。観測波長は $$\lambda = \lambda_0 \,\gamma\,(1 - \beta\cos\theta)$$ で与えられます。\(\theta = 180°\) のときは \(\cos\theta = -1\) となり、係数は \(\gamma(1+\beta) > 1\) となるため赤方偏移が生じます。\(\theta = 0°\) のときは係数 \(\gamma(1-\beta) < 1\) となり青方偏移になります。周波数は \(\lambda\) をメートルに換算したうえで \(\nu = c/\lambda\) から求められます。
計算例
\(\lambda_0 = 570\ \text{nm}\)、\(v_0 = 30{,}000\ \text{km/s}\)、\(\theta = 180°\) の場合を考えます。\(\beta = 30000/299792.458 = 0.10007\)、\(\gamma = 1.00505\) となり、係数は $$1.00505 \times 1.10007 = 1.10560$$ です。したがって $$\lambda = 570 \times 1.10560 = 630.19\ \text{nm}$$ (赤方偏移)となります。周波数は \(c/\lambda \approx 475{,}724\ \text{GHz}\)、速度比は \(10.01\%\) です。
よくある質問
横方向に動く光源でも波長がずれるのはなぜですか? \(\theta = 90°\) では古典的なドップラー項は消えますが、ローレンツ因子 \(\gamma \geq 1\) は残ります。これにより、相対論特有の横ドップラー効果(時間の遅れによる赤方偏移)が生じます。
光速と等しい速度を入力できますか? できません。\(v_0\) が \(c\) に近づくと \(\gamma\) は発散してしまうため、本計算では \(v_0 < 299{,}792.458\ \text{km/s}\) が条件となります。
速度比とは何を表していますか? \(\beta\) をパーセントで表したもので、光源が光速の何%で動いているかを示します。