シャノンの通信路容量計算機とは?
このツールは、シャノン・ハートレーの定理を用いて、ある通信路でエラーなく伝送できる理論上の最大データレートを計算します。求められる値は「通信路容量 \(C\)」と呼ばれ、ビット毎秒(bps)で表されます。容量は通信路の帯域幅と信号対雑音比(SNR)によって決まります。これは情報理論から導かれる普遍的な結果であり、電話回線、Wi-Fi、光ファイバー、携帯通信など、雑音を含むあらゆるアナログ通信路に適用できます。
使い方
通信路の帯域幅 \(B\) をヘルツ(Hz)で、信号対雑音比をデシベル(dB) で入力します。計算機はdB値を線形比に変換し、シャノンの公式を適用したうえで、容量をbps・kbps・Mbpsで表示します。さらに周波数利用効率(bits/s/Hz)も算出します。
公式の解説
容量は次式で表されます。
$$C = \text{B} \cdot \log_{2}\!\left(1 + \frac{S}{N}\right)$$ここで \(B\) は帯域幅(Hz)、\(S/N\) は信号対雑音電力比(線形値)です。SNRは通常デシベルで表記されるため、まず次の式で変換します:
$$\frac{S}{N} = 10^{\frac{\text{SNR}_{dB}}{10}}$$底2の対数によって電力比をビットへと換算します。なお、これはあくまで上限値であり、符号化や変調のオーバーヘッドがある実際のシステムでは、これよりやや低い値にとどまります。
計算例
典型的な電話回線では \(B = 3000\) Hz、SNR = 30 dB です。まず、30 dB への変換:
$$10^{\frac{30}{10}} = 10^3 = 1000 \;(\text{線形値})$$次に容量を求めます:
$$C = 3000 \cdot \log_{2}(1 + 1000) = 3000 \cdot \log_{2}(1001) \approx 3000 \cdot 9.9672 \approx 29{,}902 \;\text{bps}$$つまり約29.9 kbpsとなります。かつてのダイヤルアップモデムの上限が33〜56 kbps付近だったのは、まさにこの理由によります。
よくある質問
これは実際に出せる速度ですか? いいえ。あくまで理論上の最大値です。実際の回線では、符号化・変調・実装上の損失に応じて、その一部しか達成できません。
なぜdBを線形値に変換するのですか? シャノンの公式は線形の電力比 \(S/N\) を用いますが、技術者は通常SNRをデシベルで指定するため、先に変換が必要になります。
周波数利用効率とは何ですか? 容量を帯域幅で割った値(bits/s/Hz)で、1ヘルツの帯域幅が何ビットを運べるかを示します。