平行軸の定理とは?
平行軸の定理(ホイヘンス・シュタイナーの定理とも呼ばれます)を使うと、重心を通る軸まわりの慣性モーメントさえ分かっていれば、それと平行などんな軸まわりの慣性モーメントでも求めることができます。式は \(I = I_{cm} + m \cdot d^{2}\) と表され、\(I_{cm}\) は重心を通る軸まわりの慣性モーメント、\(m\) は全体の質量、\(d\) は2本の平行な軸の間の垂直距離を表します。
この計算ツールの使い方
入力する値は3つです。重心まわりの慣性モーメント \(I_{cm}\)(単位:kg·m²)、物体の質量 \(m\)(単位:kg)、そして重心を通る軸と新しい回転軸との距離 \(d\)(単位:m)です。ツールは \(m\) に \(d^{2}\) を掛けて移動項(シフト量)を求め、そこに \(I_{cm}\) を加えることで、新しい軸まわりの慣性モーメントの合計を算出します。
公式のしくみ
回転軸を重心から遠ざけると慣性モーメントは必ず大きくなるため、\(m \cdot d^{2}\) の項は常に正の値(軸が一致する場合のみゼロ)になります。重心を通る軸は慣性モーメントが最小となる唯一の位置であり、だからこそ \(I_{cm}\) が基準値となるのです。この定理は、どんな剛体でも、また平行な2本の軸の組み合わせであれば常に成り立ちます。
計算例
質量 10 kg の一様な棒があり、重心まわりの慣性モーメントが 0.5 kg·m² だとします。これを 2 m 離れた軸まわりで求めると、シフト量 $$= m \cdot d^{2} = 10 \times 2^{2} = 40 \text{ kg}\cdot\text{m}^{2}.$$ 合計 $$I = 0.5 + 40 = 40.5 \text{ kg}\cdot\text{m}^{2}$$ となります。
よくある質問
軸は必ず平行でなければいけませんか? はい。この定理は、新しい軸が重心を通る軸と平行な場合にのみ適用できます。平行でない軸の場合は、慣性テンソル全体を用いる必要があります。
どの単位を使えばよいですか? SI単位で統一してください。質量は kg、距離は m、慣性モーメントは kg·m² です。これにより、計算結果も kg·m² で得られます。
d をゼロにしてもよいですか? はい。\(d = 0\) の場合、新しい軸は重心を通る軸と一致するため、\(I\) は単純に \(I_{cm}\) と等しくなります。