この計算機でできること
このツールは、第一種球ベッセル関数 jv(x)、第二種球ベッセル関数 yv(x)、およびそれらの一階導関数 j'v(x)・y'v(x) の値を求めます。これらの関数は、球座標系における波動方程式やヘルムホルツ方程式の動径方向の解であり、物理学のさまざまな分野で登場します。たとえば散乱理論、電磁波・音響の放射問題、量子力学(自由粒子の部分波展開)などです。本バージョンは、整数次数 v ≧ 0、実数引数 x > 0 に対応しています。
使い方
次数 v(0、1、2 などの非負整数)と引数 x(正の実数)を入力し、計算ボタンを押すと 4 つの値がまとめて得られます。なお、yv(x) と y'v(x) は x が 0 に近づくと発散するため、x = 0 のときは無限大として表示されます。一方、\(j_0(0)\) は極限値として 1 になります。
計算式の解説
これらの関数は微分方程式 \(x^2 w'' + 2x w' + (x^2 - v(v+1))\, w = 0\) を満たします。閉じた形の解 $$j_0 = \frac{\sin x}{x}, \qquad y_0 = -\frac{\cos x}{x}$$ を出発点として、高次の値は三項漸化式 $$f_{n+1} = \frac{2n+1}{x}\, f_n - f_{n-1}$$ で求められます。yv については前進漸化式が安定ですが、jv では n > x のとき不安定になります。そこで本ツールでは、ミラーの後退漸化法を用います。十分高い次数から f を 0 と 1 に設定して開始し、次数を下げながら計算したのち、0 次の項が sin(x)/x に一致するよう全体を再スケーリングします。導関数は \(j'_v = j_{v-1} - \frac{v+1}{x}\, j_v\) の関係式から求めます。
計算例(v = 0、x = 2)
$$j_0(2) = \frac{\sin 2}{2} = 0.4546487134, \qquad y_0(2) = -\frac{\cos 2}{2} = 0.2080734183$$ となります。\(j'_0 = -j_1\) の関係から \(j'_0(2) = -0.4353977750\)、\(y'_0 = -y_1\) の関係から \(y'_0(2) = 0.3506120043\) が得られます。
よくある質問
複素数の x には対応していますか? いいえ。元のページでは複素数の引数にも対応していますが、本バージョンでは明快さと計算速度を優先し、実数 x > 0 に限定しています。
なぜ x = 0 で yv は無限大になるのですか? 第二種の関数は原点に極を持つため、x が 0 に近づくにつれて値が際限なく大きくなります。
精度はどのくらいですか? 計算には倍精度浮動小数点を用いており、有効数字でおよそ 15 桁が得られます。一般的な工学・物理の用途には十分な精度です。