ガウス・ルジャンドル求積法とは
ガウス・ルジャンドル求積法は、定積分を数値的に近似するための手法です。区間を多数の等しい短冊に分割するのではなく、巧みに選ばれた少数の点(節点)で被積分関数を評価し、それぞれに最適化された重みを掛けて足し合わせます。その精度は驚くほど高く、n点のガウス・ルジャンドル公式は次数2n − 1までの多項式を厳密に積分できます。滑らかな関数であれば、台形公式やシンプソン公式よりもはるかに少ない評価回数で優れた結果が得られます。
この計算機の使い方
被積分関数をxの式として入力します(例:4/(1+x^2)、sin(x)*exp(-x)、sqrt(1-x^2) など)。下限aと上限bを設定し、点の数nを2〜64の範囲で選びます。滑らかな被積分関数では、nを大きくするほど精度が向上します。使用できる演算子は + - * / ^ で、関数は sin、cos、tan、asin、acos、atan、sinh、cosh、tanh、exp、log/ln、log10、sqrt、abs に対応しているほか、定数 pi と e も使えます。
公式の解説
基本となる公式は区間[−1, 1]上で定義され、積分はルジャンドル多項式の根 \(x_i\) における f の重み付き和で近似されます。
$$\int_{a}^{b} f(x)\,dx \approx \frac{b-a}{2}\sum_{i=1}^{n} w_i\,f\!\left(\frac{b-a}{2}x_i + \frac{a+b}{2}\right)$$一般の区間[a, b]を扱うには、[−1, 1]上の t を \(x = \frac{b-a}{2}t + \frac{b+a}{2}\) に写す一次変数変換を用います(\(dx = \frac{b-a}{2}\,dt\))。この計算機では、ルジャンドル多項式の漸化式にニュートン法を適用して節点をその場で計算するため、数表は不要です。
計算例
区間[0, 1]上の \(f(x) = \frac{4}{1 + x^2}\) を考えます。この厳密な積分値は \(\pi\) です。\(n = 2\) のとき、節点は \(\pm\frac{1}{\sqrt{3}}\)、重みはいずれも 1 です。これらを[0, 1]に写して評価すると \(f(0.2113) = 3.8290\)、\(f(0.7887) = 2.4661\) となり、その和にスケール 0.5 を掛けると約 3.1476 が得られます。わずか2回の評価で、すでに \(\pi\) にかなり近づいています。\(n = 20\) では、結果はおよそ 3.14159265359 まで \(\pi\) と一致します。
よくある質問
a = b のときはどうなりますか? 区間の幅がゼロになるため、積分値はちょうど 0 になります。
b が a より小さくてもよいですか? はい。上限と下限を入れ替えると積分の符号が反転するという慣例どおり、符号付きの結果が返されます。
結果がおかしく見えるのはなぜですか? ガウス・ルジャンドル求積法は、すべての節点で被積分関数が有限であることを前提としています。区間内部に特異点(ゼロ除算や負数の対数など)があると、意味のない値が生じる場合があります。節点で NaN や無限大が発生した場合、計算機が警告を表示します。なお、端点 a と b そのものは評価されないため、端点付近の軽度の特異な挙動には強い点が利点です。