ハーディ・ワインベルグ平衡とは?
ハーディ・ワインベルグの法則は、進化が起きていない集団、つまり対立遺伝子頻度と遺伝子型頻度が世代を超えて一定に保たれる状態を表したものです。2種類の対立遺伝子をもつ遺伝子の場合、優性(顕性)対立遺伝子の頻度を p、劣性(潜性)対立遺伝子の頻度を q とします。対立遺伝子はこの2つだけなので、合計は必ず1になります(\(p + q = 1\))。この平衡が成り立つのは、自然選択・突然変異・移入移出・遺伝的浮動がなく、交配がランダムに行われる場合に限られます。
この計算ツールの使い方
まず、わかっている値が優性対立遺伝子頻度(\(p\))か劣性対立遺伝子頻度(\(q\))かを選び、0〜1の間の数値を入力します。すると、もう一方の対立遺伝子頻度と、3つの期待される遺伝子型頻度(優性ホモ接合 \(p^2\)、ヘテロ接合 \(2pq\)、劣性ホモ接合 \(q^2\))が自動的に求められます。それぞれは割合と、集団全体に占めるパーセンテージの両方で表示されます。
計算式の解説
二項式 \((p + q)^2 = 1\) を展開すると、 $$p^2 + 2pq + q^2 = 1$$ となります。各項がそれぞれ遺伝子型頻度を表しており、\(p^2\) は優性対立遺伝子を2つもつ個体の割合、\(q^2\) は劣性対立遺伝子を2つもつ個体の割合、\(2pq\) はヘテロ接合体の割合です。実際の研究では、目に見える劣性形質(たとえば発症している個体)として \(q^2\) を測定し、そこから \(q = \sqrt{q^2}\)、さらに \(p = 1 - q\) と逆算するケースがよくあります。
計算例
劣性対立遺伝子頻度を \(q = 0.3\) とします。すると \(p = 1 - 0.3 = 0.7\) です。遺伝子型頻度は、\(p^2 = 0.49\)(優性ホモ接合49%)、\(2pq = 2 \times 0.7 \times 0.3 = 0.42\)(ヘテロ接合42%)、\(q^2 = 0.09\)(劣性ホモ接合9%)となります。これらを合計すると $$0.49 + 0.42 + 0.09 = 1.00$$ となり、集団が平衡状態にあることが確認できます。
よくある質問
発症している個体の人数しかわからない場合は? 劣性形質は \(q^2\) に対応します。発症者数を集団の総数で割って \(q^2\) を求め、その平方根をとって \(q\) を計算し、その値を入力してください。
なぜ遺伝子型頻度の合計が1になるの? これらは集団内で起こりうるすべての遺伝子型の組み合わせを表しているため、その割合の合計は必ず全個体の100%をカバーするからです。
保因者(キャリア)はヘテロ接合体のことですか? はい。劣性形質の場合、保因者は優性と劣性の対立遺伝子を1つずつもつ個体であり、これが \(2pq\) のグループにあたります。