この計算ツールでできること
このツールは、第一種ケルビン関数 berv(x)・beiv(x) を、指定した次数(階数)v について x の値を一定間隔で掃引しながら表にまとめます。これらの関数は、回転させた引数 \(x\cdot e^{i3\pi/4}\) におけるベッセル関数 Jv の実部と虚部に相当し、交流抵抗(表皮効果)、円柱内の熱伝導など、物理・工学のさまざまな場面で登場します。
使い方
次の4つの値を入力します。次数 v(通常は 0、1、2…)、x の最初の値 x 初期値、各行ごとに加算する 増分、そして 繰り返し回数(表の行数)です。初期設定では、x を −7 から +7 まで 0.2 刻みで掃引します(71 行)。計算結果は、x、berv(x)、beiv(x) の表として出力されます。
計算式の解説
級数は次のとおりです。
$$\mathrm{ber}_v(x) + i\,\mathrm{bei}_v(x) = \left(\frac{x}{2}\right)^{v} e^{\,3v\pi i/4} \sum_{k=0}^{\infty} \frac{\left(\frac{i\,x^{2}}{4}\right)^{k}}{k!\,\Gamma(v+k+1)}$$本ツールでは複素数の漸化式で評価し、各項は直前の項に \(\frac{i\,x^{2}/4}{k(v+k)}\) を掛けたものになります。これにより、べき乗や階乗を毎回計算し直す必要がありません。ガンマ関数は実数の v に対してランチョス近似で求めます。総和は、ある項が累積値に対して無視できるほど小さくなった時点で打ち切ります。
計算例(v = 0, x = 2)
級数を計算すると、\(\mathrm{ber}_0(2) \approx 1 - 0.25 + 0.001736 - \cdots \approx 0.75173\)、\(\mathrm{bei}_0(2) \approx 1 - 0.027778 + 0.0000694 \approx 0.97229\) となり、標準的な数表の値(\(\mathrm{ber}_0(2)=0.7517\)、\(\mathrm{bei}_0(2)=0.9723\))とよく一致します。
よくある質問
v は整数以外でもよいですか? はい、可能です。ガンマ関数が実数の v に対応します。なお、v が整数でない場合、負の x では前係数 \((x/2)^{v}\) が多価となるため、主値(主枝)を用いています。
なぜ v=0 では値が左右対称になるのですか? v=0 の級数には x の偶数乗だけが含まれるため、\(\mathrm{ber}_0(-x)=\mathrm{ber}_0(x)\)、\(\mathrm{bei}_0(-x)=\mathrm{bei}_0(x)\) が成り立つからです。
x が非常に大きい場合は? この級数は |x| が中程度までならよく収束します。\(|x| > 20\) になると多くの項が必要になり、漸近展開のほうが安定します。最も高い精度を得るには、初期設定の範囲内で利用するのがおすすめです。