この計算機でできること
このツールは、月と太陽が地球に及ぼす万有引力と潮汐力(起潮力)を、単位質量あたりの値(N/kg、すなわち m/s² に等しい)で計算します。さらに、月が近地点(地球に最も近づく点)にあるときの潮汐力を求め、各潮汐力をその近地点の値を基準とした比として表示します。ニュートンの万有引力と標準的な潮汐力の近似式に基づく純粋な物理計算なので、地球上のどこでも同じように当てはまります。
使い方
月の質量と平均距離、月の軌道離心率、そして太陽の質量と平均距離を入力してください。質量はキログラム(kg)、距離はキロメートル(km、内部でメートルに換算されます)で指定します。万有引力定数 \(G = 6.67430 \times 10^{-11}\ \text{m}^3\,\text{kg}^{-1}\,\text{s}^{-2}\) と地球の平均半径 \(R = 6.371 \times 10^{6}\ \text{m}\) は固定された定数で、変更できません。
計算式の解説
地球の中心から距離 \(r\) にある質量 \(M\) の天体による重力加速度は $$g = \frac{G\,M}{r^{2}}$$ で表されます。潮汐力は、この引力が地球の半径 \(R\) にわたって生じる「差」のことで、主要項では $$F_{\text{tidal}} = \frac{2\,G\,M\,R}{r^{3}}$$ となります。潮汐項が \(1/r^{2}\) ではなく \(1/r^{3}\) に比例して小さくなるため、近くにある月のほうが、はるかに質量の大きい遠方の太陽を上回ることができるのです。月の近地点距離は、軌道長半径 \(a\) と離心率 \(e\) から $$r_{p} = a(1 - e)$$ と求められます。
計算例(初期値の場合)
\(M_{\text{moon}} = 7.347673 \times 10^{22}\ \text{kg}\)、距離 \(r = 384{,}399\ \text{km}\) のとき、月の平均的な潮汐力は約 \(1.10 \times 10^{-6}\ \text{N/kg}\) です。太陽(\(1.9891 \times 10^{30}\ \text{kg}\)、距離 1 AU)の場合は約 \(5.05 \times 10^{-7}\ \text{N/kg}\) となります。近地点では $$r_{p} = 384{,}399 \times (1 - 0.0549) = 363{,}295\ \text{km}$$ となり、月の潮汐力は約 \(1.30 \times 10^{-6}\ \text{N/kg}\) まで高まります。比はそれぞれ、月(平均)/ 月(近地点)= 0.844、太陽 / 月(近地点)= 0.388 になります。
よくある質問
太陽の潮汐力が月より小さいのはなぜ? 太陽は月よりも圧倒的に質量が大きいものの、潮汐力は \(1/r^{3}\) に比例し、太陽は月のおよそ 390 倍も遠くにあります。そのため太陽の起潮効果は月の約 40〜46% にとどまります。
「単位質量あたり」とはどういう意味? 結果は加速度(N/kg = m/s²)として表されています。特定の物体に働く力を求めたいときは、その物体の質量(kg)を掛けてください。
教科書の数値と少し違うのはなぜ? 正確な値は、採用する \(G\) の値や地球半径 \(R\)、さらに高次の潮汐項を含めるかどうかによって変わります。このツールは主要項のみの近似を用いており、\(R\) が \(r\) よりはるかに小さいため十分に有効です。