この計算ツールでできること
本ツールは日本の労働基準法に対応しています。時間外労働(残業)、深夜労働(22時〜翌5時)、法定休日労働について、労働基準法が定める割増賃金のルールを適用して計算します。時給と各区分の労働時間を入力すると、その賃金計算期間の残業代(割増賃金の総額)を算出します。金額はすべて日本円(円)で表示されます。
使い方
まず基本となる時給を入力し、続いて各割増区分の労働時間と適用する割増率を入力します。初期値は労働基準法で定められた法定の最低基準です。月60時間までの時間外労働は1.25倍、月60時間を超える時間外労働は1.5倍(2023年4月1日以降はすべての企業に義務化。それ以前は中小企業は猶予されていました)、深夜労働は+0.25の上乗せ、法定休日労働は1.35倍となっています。就業規則や労働協約でこれより手厚い割増率を定めている場合は、各割増率を自由に変更できます。
計算式の解説
各区分の金額は「時給 × 時間数 × 割増率」で求めます。割増率(例:1.25)は割増分だけでなく賃金全体を含む係数のため、計算結果はその時間に対する支払総額になります。割増分(上乗せ部分)だけを求めたい場合は、時給 × 時間数 ×(割増率 − 1)で計算してください。なお、法定休日労働の時間は月60時間の時間外労働の上限には算入されないため、60時間超の区分は設けていません。
$$\text{割増賃金} = W \times \big( H_1 M_1 + H_2 M_2 + N_1 m_1 + N_2 m_2 + H_h M_h + N_h m_h \big)$$
$$\text{ただし}\quad \left\{ \begin{aligned} W &= \text{時給 (¥)} \\ H_1 M_1 &= \text{時間外労働時間} \times 1.25 \\ H_2 M_2 &= \text{60時間超の時間外労働} \times 1.5 \\ N_1 m_1 &= \text{深夜の時間外労働時間} \times 1.5 \\ N_2 m_2 &= \text{60時間超の深夜時間外労働} \times 1.75 \\ H_h M_h &= \text{休日労働時間} \times 1.35 \\ N_h m_h &= \text{休日深夜労働時間} \times 1.6 \end{aligned} \right.$$
計算例
時給1,500円の場合。時間外労働20時間(1.25倍)、60時間超の時間外労働5時間(1.5倍)、時間外+深夜労働4時間(1.5倍)、法定休日労働8時間(1.35倍)とします。時間数×割増率の合計は \(25 + 7.5 + 6 + 10.8 = 49.3\)。総額は次のとおりです。
$$\text{総額} = 1{,}500 \times 49.3 = \textbf{73{,}950円}$$
よくある質問
税金や社会保険料は含まれますか? いいえ。本ツールが算出するのは割増賃金の総額(額面)のみで、源泉徴収や社会保険料、みなし残業(固定残業代)の調整は反映していません。
深夜の割増率がなぜ1.25倍ではなく1.5倍なのですか? 深夜労働は時間外労働に+0.25が上乗せされるため、22時〜翌5時にかかる時間外労働は \(1.25 + 0.25 = 1.5\) 倍 となります(月60時間超なら1.75倍)。
日本以外でも使えますか? 割増率は変更できますが、区分の構成(法定休日・深夜・60時間超の区分)は日本の法律にもとづいているため、他国の制度には当てはまらない場合があります。