剰余の定理とは?
剰余の定理は、代数学の基本となる重要な定理です。多項式 \(P(x)\) を一次式 \((x - c)\) で割ったとき、その余りはちょうど \(P(c)\) に等しくなる、というものです。つまり、余りを求めるために多項式の筆算(長除法)をわざわざ行う必要はなく、多項式に \(c\) を代入して値を計算するだけで済みます。この計算ツールが、その作業を瞬時に代わって行います。
この計算ツールの使い方
多項式の係数を、最高次の項から定数項に向かって順に、カンマまたはスペースで区切って入力します。途中で抜けている項があれば、必ず 0 を補ってください。たとえば \(P(x) = 2x^3 - 3x^2 + 5\) には \(x\) の項がないので、2, -3, 0, 5 と入力します。次に、割る式 \((x - c)\) から取った \(c\) の値を入力します。割る式が \((x + 4)\) なら \(c = -4\) となります。「計算」を押せば、余り \(P(c)\) が表示されます。
計算式の仕組み
この定理は $$\text{Remainder} = P(c) = \sum_{i=0}^{n} a_i\,\text{c}^{\,n-i}$$ と表されます。内部では「ホーナー法(組立除法)」を使っています。これは多項式を入れ子の形に書き換える方法で、最も少ない掛け算回数で、かつ数値的に安定して値を求められます。0 から始め、各係数について「現在の合計値に \(c\) を掛け、次の係数を足す」という操作を繰り返します。最後に得られる合計が \(P(c)\) であり、これが余りに等しくなります。
$$\begin{gathered} \text{Remainder} = P(c) = \sum_{i=0}^{n} a_i\,\text{c}^{\,n-i} \\[1.5em] \text{where}\quad \left\{ \begin{aligned} a_i &= \text{Coefficients} \\ c &= \text{Divisor value (from } x - c) \end{aligned} \right. \end{gathered}$$
計算例
\(P(x) = 2x^3 - 3x^2 + 5\) を \((x - 2)\) で割る場合、\(c = 2\) です。ホーナー法で順を追って計算してみましょう。0 から開始 \(\to \times 2 + 2 = 2 \to \times 2 + (-3) = 1 \to \times 2 + 0 = 2 \to \times 2 + 5 = 9\)。したがって \(P(2) = 9\) となり、余りは 9 です。直接代入して確かめることもできます: $$2(8) - 3(4) + 5 = 16 - 12 + 5 = 9.$$
よくある質問(FAQ)
余りが 0 になる場合は? \(P(c) = 0\) のとき、\((x - c)\) は \(P(x)\) を割り切ります。つまり \(c\) は \(P(x)\) の根(解)であり、\((x - c)\) は因数となります(これが因数定理です)。
割る式が (x + 3) のときはどう入力する? \(x + 3\) を \(x - (-3)\) と書き換えれば、\(c = -3\) と入力すればよいことがわかります。
すべての係数を入力する必要がある? はい。抜けている次数の項には 0 を入れてください。そうしないと係数の位置がずれてしまいます。