推力重量比(TWR)とは?
推力重量比(TWR:Thrust-to-Weight Ratio)とは、ドローンやRC機が生み出す推力(持ち上げる力)が、機体重量に対してどれだけあるかを示す数値です。マルチコプターの機体製作(ビルド)において最も重要な指標のひとつで、そもそもホバリングできるかどうか、操作のレスポンスがどれだけシャープか、激しいフライトやペイロード搭載にどれだけ余力があるかを左右します。TWRが1:1の場合、モーターは機体をやっと空中に保持できる程度。これを下回ると、機体は地面から浮き上がることすらできません。
このツールの使い方
各モーターがフルスロットルで発生する静止推力(モーターメーカーのデータシート記載の値、単位はグラム)、機体のモーター数、そして全備重量(AUW:All-Up Weight)を入力します。AUWとは、フレーム・バッテリー・カメラ・プロペラを含む「飛行可能な状態の総重量」(単位はグラム)のことです。本ツールは、推力にモーター数を掛けて総推力を求め、それを全備重量で割ってTWRを算出します。
計算式の解説
TWR =(1モーターあたりの推力 × モーター数)÷ 全備重量。推力と重量は必ず同じ単位(ここではグラム)で揃える必要があり、結果は無次元の比率になります。
$$\text{TWR} = \frac{\text{Thrust/Motor (g)} \times \text{Motor Count}}{\text{AUW (g)}}$$たとえば600gのモーターを4基搭載したクアッドコプターなら、総推力は2,400g。機体重量が650gの場合、TWRは \(2{,}400 \div 650 \approx 3.7:1\) となります。
計算例
5インチのFPVフリースタイル機を組んだと仮定しましょう。4基のモーターがそれぞれ1,200gの推力を出し、全備重量は650gとします。総推力は \(1{,}200 \times 4 = 4{,}800\,\text{g}\)。TWR = \(4{,}800 \div 650 \approx 7.4:1\) となり、極めてパワフルでフリースタイルにぴったりの仕上がりです。
よくある質問(FAQ)
どれくらいのTWRが必要? 安定して操縦しやすい飛行には最低でも2:1、スポーティなフリースタイルには3〜4:1、ハイパフォーマンスなレースや本格フリースタイルには6:1以上を目安にしましょう。シネマティック撮影や重量物運搬用の機体では2〜3:1程度がよく使われます。
モーターの推力はどこで調べる? メーカーは、各モーター+プロペラ+電圧の組み合わせごとに推力テーブルを公開しています。実際に使うプロペラとバッテリーのセル数(電圧)に対応した最大推力の数値を使いましょう。
バッテリーを変えるとTWRは変わる? 変わります。バッテリーが重くなれば重量が増えてTWRは下がりますが、その分電圧が上がって推力が増す場合もあります。パーツを交換したら必ず再計算してください。