デューク・トレッドミルスコアとは?
デューク・トレッドミルスコア(DTS)は、標準的なブルース法によるトレッドミル運動負荷試験の結果から導き出される、検証済みの予後予測指標です。「運動継続時間」「運動中または運動後に心電図で観察された最大ST部分偏位」「狭心症指数」という、測定しやすい3つの数値を1つのスコアにまとめ、患者を心血管リスクの低・中・高の3群に層別化します。冠動脈造影などのさらなる検査を行うべきかどうかを判断する際の根拠として、広く用いられています。
この計算ツールの使い方
ブルース法で達成した運動の総時間(分)、最大ST部分偏位(mm、aVR誘導は除く)を入力し、運動時の狭心症指数を選択してください。狭心症指数は、狭心症なしなら0、運動を制限しない狭心症なら1、運動を中止せざるを得なかった狭心症なら2を選びます。スコアと、それに対応するリスク区分が表示されます。
計算式の解説
スコアは次の式で算出されます。$$\text{DTS} = t - (5 \times \text{ST}) - (4 \times \text{angina})$$(運動時間(分)−(5 × ST偏位 mm)−(4 × 狭心症指数))。運動時間が長いほどスコアは高くなり(予後良好)、ST偏位が大きく、狭心症が重いほどスコアは低下します。判定の目安は次のとおりです。+5以上=低リスク(年間死亡率 約0.25%)、−10〜+4=中リスク(約1.25%)、−11以下=高リスク(年間死亡率 約5%)。
計算例
ある患者が9分間運動し、ST低下が1mm、運動を制限しない狭心症(指数1)が出現したとします。スコアは $$9 - (5 \times 1) - (4 \times 1) = 9 - 5 - 4 = 0$$ となります。スコア0は −10〜+4 の範囲に入るため、この患者は中リスク群に分類されます。
よくある質問
このスコアはどのプロトコルを前提としていますか? 標準的なブルース法のトレッドミルプロトコルを前提としています。別のプロトコルを用いると、運動時間と運動負荷量の対応関係が変わってしまいます。
ST偏位は低下と上昇のどちらを使いますか? 低下・上昇のいずれであっても、aVR誘導を除いた最大の正味ST偏位(mm)を用います。
スコアが高ければ良好な転帰が保証されますか? いいえ。DTSはあくまで集団データに基づく推定値であり、必ず資格を持つ医師が患者さんの臨床像全体とあわせて解釈する必要があります。