総家賃倍率(GRM)とは?
総家賃倍率(GRM:Gross Rent Multiplier)は、不動産投資家が収益物件を手早く比較するためのスクリーニング指標です。経費・空室・融資コストを度外視したうえで、物件の購入価格が「総家賃収入の何年分にあたるか」を表します。GRMが低いほど、価格あたりの家賃収入が多い物件であることを示し、逆にGRMが高いほど、得られる収入に対して割高な物件であることを意味します。なお、これは主に米国の不動産投資で使われる指標で、日本でいう「表面利回り」と近い考え方ですが、利回りが年率(%)で表されるのに対し、GRMは「倍率(年数)」で表される点が異なります。
この計算ツールの使い方
物件の購入価格と、年間の総家賃収入を入力してください(月額家賃しか分からない場合は「月額家賃×12」で年額に換算します)。価格を年間家賃で割った結果が、即座にGRMとして表示されます。複数の物件をリストアップして比較する初期段階で活用し、優先順位をつけたうえで、より詳細なキャッシュフロー分析へ進みましょう。
計算式の解説
計算式はとてもシンプルで、$$\text{GRM} = \frac{\text{物件価格 (\$)}}{\text{年間総家賃収入 (\$)}}$$です。「総(グロス)」家賃を使い、純収益(ネット)ではない点がポイントで、固定資産税・保険料・修繕費・空室損失といった運営コストは一切考慮されません。そのぶん計算は速い反面、あくまで大まかな目安にとどまります。最終的な投資判断ではなく、初期段階の比較に向いた指標と考えましょう。
計算例
たとえば、物件価格が30万ドルで、月額家賃が3,000ドルだとします。年間総家賃は $$3{,}000 \text{ドル} \times 12 = 36{,}000 \text{ドル}$$です。GRMは $$300{,}000 \text{ドル} \div 36{,}000 \text{ドル} = \mathbf{8.33}$$ となります。これは、購入価格を回収するのに総家賃で約8.33年分かかることを意味します。
よくある質問(FAQ)
GRMはどのくらいが理想ですか? 市場によって異なりますが、多くの投資家は4〜8の範囲を目安とします。万能な基準値で判断するのではなく、同じエリアの似た物件と比較することが大切です。
月額家賃と年額家賃、どちらを使いますか? 標準的なGRMでは、必ず年間の総家賃を使います。月額家賃しか手元にない場合は、まず12を掛けて年額に換算してください。
GRMに経費は含まれますか? いいえ。GRMは総収入のみを用います。経費を反映した指標が必要な場合は、代わりにキャップレート(還元利回り)を使いましょう。