グロスアップ金利計算ツールとは?
グロスアップ金利計算ツールは、非課税(または免税)の利回りを課税相当利回り(TEY: Taxable-Equivalent Yield)に換算するためのツールです。課税相当利回りとは、同じ税引後リターンを得るために、フルに課税される投資商品が支払わなければならない税引前の利率を指します。これにより、非課税商品(米国の地方債=ミュニシパル債や免税型の貯蓄商品など)と、通常の課税口座とを同じ土俵で比較できるようになります。
使い方
まず、表示されている非課税利回りをパーセントで入力します。次に、限界税率——つまり、課税所得が次の1単位増えたときに適用される税率——を入力してください。計算ツールは、税引前の換算利回りに加えて「利回りの上乗せ分(イールド・ピックアップ)」を表示します。これは、グロスアップによって得られる追加の名目利回りがどれくらいかを示すものです。
計算式
グロスアップ後の利回りは、非課税利回りを「1 − 税率」で割るだけで求められます。
$$\text{TEY} = \frac{\text{非課税利回り (\%)}}{1 - \dfrac{\text{税率 (\%)}}{100}}$$
課税される利回りでは税引後の部分しか手元に残らないため、\((1 - t)\)で割ることで、非課税の数値を税引前の水準まで引き上げて換算できます。
計算例
たとえば、ある地方債(ミュニシパル債)が3.5%の非課税利回りを提供しており、あなたの限界税率が24%だとします。このときの課税相当利回りは次のとおりです。
$$\text{課税相当利回り} = \frac{3.5\%}{1 - 0.24} = \frac{3.5\%}{0.76} = \mathbf{4.605\%}$$
つまり、課税対象の債券が3.5%の非課税債券に匹敵するには、約4.61%の利回りが必要になります。利回りの上乗せ分は、\(4.605\% - 3.5\% = 約1.11\%\)です。
よくある質問
どの税率を使えばよいですか? 投資収益は所得の最上位部分に対して課税されるため、限界税率(最高税率帯の税率)を使ってください。連邦税・州税・地方税のすべてが該当する場合は、それらを合算します(米国の例。日本の場合は所得税・住民税の合計などに置き換えて考えてください)。
課税相当利回りは高いほど良いのですか? 課税相当利回りが高いほど、課税商品と比べて非課税利回りの魅力が大きいことを意味します。特に高所得者ほどその傾向が顕著です。判断する前に、同種の課税商品の実際の利回りと必ず比較しましょう。
これは日本にも当てはまりますか? 計算式そのものは万国共通です。この考え方は米国(地方債)で最も一般的ですが、非課税利回りと課税利回りを比較する場面ならどこでも応用できます。なお、米国のミュニシパル債のような大規模な非課税債券市場は日本にはなく、課税ルールも国によって異なります。必ずご自身の国・地域の税制を確認してください。