溶解度からKspを求める計算ツールとは?
このツールは、難溶性のイオン結晶(塩)について、モル溶解度 \(s\) から溶解度積(\(K_{sp}\))を計算します。1単位あたり \(n\) 個の陽イオンと \(m\) 個の陰イオンに電離する \(A_n B_m\) 型の塩であれば、どんな組成でも対応可能です。化学の普遍的な原理に基づくツールなので、国や地域を問わず利用できます。
使い方
まず、モル溶解度 \(s\) を mol/L 単位で入力します(例:\(1.3\times10^{-4}\) なら「1.3e-4」と入力)。次に、化学式 \(A_n B_m\) から陽イオンの添字 \(n\) と陰イオンの添字 \(m\) を入力してください。計算結果として、\(K_{sp}\) の値に加え、陽イオン・陰イオンそれぞれの項も表示されます。
計算式の解説
\(A_n B_m\) が水に溶けて電離するとき、その反応は次のように表せます:\(A_n B_m \rightarrow n\,A^{m+} + m\,B^{n-}\)。モル溶解度を \(s\) とすると、\([A] = n \cdot s\)、\([B] = m \cdot s\) となります。溶解度積は、各イオン濃度をその係数(化学量論係数)でべき乗した値の積で求められます。
$$K_{sp} = \left(n \cdot s\right)^{n} \cdot \left(m \cdot s\right)^{m}$$
計算例
CaF₂(1:2 型の塩、\(n=1\)、\(m=2\))で \(s = 1.3\times10^{-4}\) mol/L の場合:陽イオンの項 \(= (1 \cdot s)^1 = 1.3\times10^{-4}\)、陰イオンの項 \(= (2 \cdot s)^2 = (2.6\times10^{-4})^2 = 6.76\times10^{-8}\) となります。したがって $$K_{sp} = 1.3\times10^{-4} \times 6.76\times10^{-8} \approx 8.79\times10^{-12}$$ となり、教科書に記載されている値とほぼ一致します。
よくある質問
Kspの単位は何ですか? 濃度は mol/L で扱いますが、\(K_{sp}\) は慣例的に無次元量(単位なし)として扱われます。
AgClのnとmはいくつですか? AgCl は 1:1 型の塩なので、\(n = 1\)、\(m = 1\) となり、\(K_{sp} = s^2\) で表せます。
Ag₂CO₃の場合はどうなりますか? Ag₂CO₃ は 2:1 型の塩(\(n = 2\)、\(m = 1\))です。したがって \(K_{sp} = (2s)^2 (s) = 4s^3\) となります。